おはなし掲示板

「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」

日時: 2016/10/10 21:57
名前: 敗北者

【概要】
ポケガイ民が理想の力(オリジナルも既存作品からのも)と容姿を手に入れ、二次元世界に生まれ変わる。力を使って戦いを繰り広げたり、二次元ヒロインと出会って生き抜いていく物語である。

【あらすじ】
ポケガイ住民のとある青年は、ある日呆気なくその短い生涯を閉じる。次に彼が目を覚ますと、そこは憧れの二次元世界だった。理想の力と容姿を手に入れた青年は様々な出会いと戦いを繰り返して生き抜いていく。

ロック/修正

Page:[1] [2] [3] [4] [5] [6]

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.348 )

日時: 2016/10/12 18:50
名前: ああ

リキッドは熱していた鉄パイプをそのままにして立ち上がり、奇人からカッターナイフを取り上げるとカースオブキャットの睾丸に刃を当てがう。

「まずはこいつだ。」

リキッドがカースオブキャットの睾丸に当てがった刃を、腕に力を込めて切れ目を入れ始める。睾丸の切れ目はどんどん深くなり、血が溢れ出していく。

「お、おい…冗談だよな?」

カースオブキャットは恐怖と痛みのあまり涙を流し始めた。やがて睾丸は完全に切り取られた。

「お前さんの精子工場は 本日をもって閉鎖だ。」

リキッドが切り取った睾丸を掲げて見せつけながら言い放った。

「なんだよそれ…なんなんだよちくしょう…!」

カースオブキャットは下を向いて叫ぶ。声帯が切れた小さな声で、切り取られた部分を見つめながら。

「お前さん、蒼天◯路って漫画は好きか?」

リキッドが急に尋ね出した。その質問にどんな意図があるのか、カースオブキャットはまだ知らなかった。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.349 )

日時: 2016/10/12 18:50
名前: ああ

「蒼天◯路ってのは三国志の時代の魏の曹操を主人公にした漫画なんだけどね。その漫画を読んでて俺はあるキャラクターに目を惹かれたんだ。」

「曹操の従兄弟で夏侯惇っていう武将なんだが、彼は戦場で目を矢で射たれてしまったんだ。夏侯惇がその時とった行動が今でも俺の目に焼き付いてるよ。」

「何と彼は矢で射たれた目ン玉を食ったんだ。後で夏侯惇について三国志演義で調べてみると、親にせっかく貰った目を捨てるのは勿体無いから、だそうだ。」

「男だよねぇ。男なら夏侯惇みたいな男に憧れるよねぇ。だからお前さんも夏侯惇にしてやろう。」

リキッドが長い語りを終えると切り取った睾丸を男の口の中へ無理矢理詰め込んだ。

「アボォ…ゴボォ…」

悲鳴にならない声を上げてカースオブキャットは自分の一部を胃袋に収めた。食道を通る感覚がたまらなく気持ち悪かった。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.350 )

日時: 2016/10/12 18:51
名前: ああ

「どうだ?親から貰った陰嚢の味は。」

「…。」

リキッドの質問に対してカースオブキャットはただ涙を流しているだけで何も答えない。

「アンタァ、被害者の女性の肛門に異物を挿入して撮影してたんだってねぇ。マニアに高く評価されて映像をビデオにして売り捌いたとか。今度はアンタの番だねぇ。」

リキッドは熱し続けていた鉄パイプの尻を持って取り出すと、カースオブキャットを拘束している椅子に一箇所だけ空けておいた穴に狙いを定める。

「お、おい待てよもう反省したから許して…」

大臣の威厳などそこには無かった。あるのは拘束されて無様に命乞いをする惨めな男の姿だった。

リキッドは容赦無く熱した鉄パイプをその穴に思い切り突っ込んだ。

「あああああああああああああ!!!!!」

カースオブキャットが小さな声で出せる最大限の大きさで思い切り悲鳴を上げた。穴は何とカースオブキャットの肛門の位置に合わせて空けた穴だった。

「もう二度と 大便出来ないねぇ。」

平然とした顔でリキッドが言い放った。そればかりか、鉄パイプを肛門に突っ込んだままグリグリと回し始めたのである。

「待って下さい。もう結構です!」

その時である、廃工場内で隠れて眺めていた依頼人の女性が飛び出してきたのである。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.351 )

日時: 2016/10/12 18:53
名前: ああ

「アンタがやってくれって頼んだからやってんのに、もうやめちゃっていいの?」

「私見てて思ったんです。こんなことをしても姉はもう生き返らない、虚しくなるだけだって。だからもう十分です!ありがとうございました!」

女性は涙ながらにリキッドに訴えた。リキッドはそれを聞いて熱した鉄パイプをカースオブキャットの肛門から引き抜く。

「もう2度とこの女性の前に現れるな。」

リキッドの言葉にカースオブキャットは安堵した。ようやく解放される、命までは取られないとそう思ったからである。

女性はリキッドと奇人に一礼すると廃工場を出て去っていった。リキッドはそれを確認するとカースオブキャットを椅子から解き放ち、全裸に縄で縛ったまま外に担ぎ出す。

「私はもう大臣を辞めるよ…。今回のことで反省したんだ。次からは人を直接助けることをしていきたいんだ。」

改心したかのような言葉を吐くも、リキッドはそれには反応せずに橋に向かって歩き続ける。

橋に到着すると、男を橋に設けられた柵の上に乗せた。そして口を開く。

「お前さんまさか、本気で生きて帰れると思ってないだろうねぇ?」

安堵していたカースオブキャットの表情が絶望に変わった瞬間だった。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.352 )

日時: 2016/10/12 18:53
名前: ああ

「え?でもあの女性はもういいって…」

「何の罪も無い女性を自分の欲望の為に犯して殺すような屑を 生かして帰すわけねえだろバカ野郎。」

リキッドは柵に縄を括り付けてカースオブキャットを橋の下へと押して放り込んだ。


翌朝、古書店「リキッド古書店」の2階でリキッドは奇人と共に朝食を摂っていると、つけていたテレビに昨夜にカースオブキャットを縛り付けて投げ込んだ橋が映っていた。

「本日未明、ガルガイド王国のカースオブキャット大臣が逆さまに縛り付けられたまま遺体で発見されました。騎士団は自殺と他殺の両面で操作を進めております。以上ニュースでした。」

ニュースを見終えてテレビの電源を消すと、奇人が口を開いた。

「なあリキッド。お前は国の為に尽くす騎士だったんだろ?今更だがこんなこと初めて良かったのか?」

「俺はもう騎士じゃなくて復讐屋だ。この王国に蔓延る、法で裁けない悪を裁く為のな。俺は国を見限ったんだ。これからは国では無く民の味方になりたい。こんな形でしかそれが出来ないけど、自分にやれることをしたいんだ。」

リキッドは白米を口に運びながら答えた。

「こういう暮らし、悪くねえよな。この味噌汁の味噌凄く美味いけど何処で買ったんだ?」

奇人が話題を変える。しんみりとした雰囲気は奇人はあまり得意ではなかった。

「今度一緒に買いに行こうぜ。いい物を取り扱ってる店があるんだ。」

リキッド古書店は平凡な朝を迎えていた。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.353 )

日時: 2016/10/12 18:54
名前: ああ

ある夜、王都ガルドリアの中心から少し離れた建物の中で、事件を匂わせる講習が開かれていた。

「ハイパーピース 女大好きィィィ!」

受講生20人程の小規模な講習であり、スクリーンには如何わしい映像が映し出されていた。ホワイトボードには「すぱーく先生のハイパーピース講座」と赤字で書かれていた。

すぱーくは腰を落としながら両手を上げてピースを作るというおかしなポーズをにやけ顏で作り、受講生から拍手を受けていた。すぱーくが語り出す。

「この世界の女はどんな男に惹かれるか…。イケメン?違う!金持ち?違う!ではどんな男が女に好かれるか、それは強い男だ!魔力や能力を持っている人間自体、この世界の実にたったの2割弱!君達は、その選ばれた2割弱なのだ!」

一々おかしな決めポーズを作りながら受講生達を指差して話を区切ると、再び語りだす。

「魔力を持った男が言い寄れば女は簡単に股を開く!間違いない俺が断言する!」

「では女が股を開いたらどうすればいいか?そんなの!決まっている!」

「挿れるしかないでしょう!」

受講生から拍手喝采が送られる。

「この世界の女は皆ヤリたがっている!俺達は!その期待に!答えるのだ!ゴムをつけるなんて以ての外だ!ナマで!ヤるんだ!ナマの方が気持ちいいから女も喜ぶ!アーユーオーケイ?」

「オーケイ!!」

すぱーくの掛け声に受講生達は元気良く答えた。そして事件へと繋がる計画の話へと入った。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.354 )

日時: 2016/10/12 18:54
名前: ああ

王都にある貸切の居酒屋に、すぱーくとその受講生の一行は入店した。すぱーくとその取り巻き3人程が同じテーブルを囲んで座敷に座り、他の受講生は違う座敷や席に座ってそれぞれが違うグループ客であるように演じた。

「お、来た来た!こっちだよ!」

18歳と20歳くらいの姉妹だった。彼女達が来店するのを待っていたすぱーくは自分の隣の座敷に座るように促し、姉妹は指示に従い腰を下ろした。

「初めまして!◯◯(オリキャラだから名前思いつかなかった)です!」

「初めまして!△△(上に同じく)です!」

姉妹が元気良く自己紹介するとすぱーくは店主を呼んでこう言った。

「じゃ、いつもの宜しくゥー!」

店主が全て分かったかのように答えるとジョッキに酒を注いで2人に運んだ。

「このお酒なんですかぁ?」

「それはね、この店特製のお酒だよ~。君達は可愛いから特別サービスだぁぁぁ!さ、飲んで飲んで!」

すぱーくが勧め、何の疑いも無く姉妹は酒を一気に飲み干す。

「2人ともいい飲みっぷりだねー!さあもう一杯!店主、頼むぜ!」

店主が2人に2杯目を持ってくる。姉妹は2杯目も一気飲みしてしまった。

「いやー2人ともお酒強いねー!鍛えたの?」

「いえいえ体質ですぅー!」

すぱーくと姉妹、受講生の談笑が数分ほど続いた。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.355 )

日時: 2016/10/12 18:55
名前: ああ

「あ…なんか眠くなって…。」

「私も…。」

姉妹は眠ってしまった。すぱーくも店にいた受講生達も、店主も、計画通りと言わんばかりにニヤけた。

「ふふふ…この店特製のハイパーハメハメサワーが効いたようだな。アルコール度数50%、更に強力な媚薬と睡眠薬入りの代物だ。さあ2階に運ぶぞ!」

すぱーくの指示で受講生2人が姉妹を担いで階段を登る。すぱーくや他の受講生、店主もそれに続く。

居酒屋の2階で、姉妹は衣類を全て脱がされて全裸にされていた。

「じゃあ姉の方の1番槍は頂くぜえええ!」

すぱーくがズボンとパンツを脱いで下半身を丸出しにする。腰を落とすと姉の秘所に勃起した自らの一物を当てがう。

「いい感じに濡れてるねぇー。じゃあ、挿れちゃおうか!ハイパーピーーース!」

一物を一気に奥まで挿入する。

「うお!このマ◯コすげえ締め付けいいじゃねえか!最高だ!やべえ腰が止まんねえ!」

すぱーくを腰をフルに使って激しいピストン運動を数分ほど繰り返す。姉は眠りながらも媚薬の効果で嬌声を漏らしている。

「そろそろ出る!ナカに出すぞ!」

すぱーくは絶頂を迎えて自らの欲望の熱い奔流を姉の中に放った。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.356 )

日時: 2016/10/12 18:56
名前: ああ

「妹の方は処女でしたよ!すげえ締め付けて来ます!あ、出る!出る!」

妹を犯していた店主の方も絶頂に達していた。

「ちょっと2人とも、俺達も居るんですから中出しはしないで下さいよ~!」

受講生の1人が姉の方に一物を挿入しながら苦情を吐く。

「この世の女は全員、俺のチ◯コを挿れるオ◯ホールなんだよ!」

すぱーくがキメ顔でそう答えた。

「ギャハハハハハ!名言頂きましたー!」

結局、輪姦は明け方まで続いたのであった。姉妹2人に対して総勢22人の男でマワしたのである。翌朝姉妹が起きた時には何事も無かったかのように片付けられて布団で寝かされていることに気づいた。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.357 )

日時: 2016/10/12 18:56
名前: ああ

更に数日後、妹は自宅で起きて朝風呂に入ろうと浴室の扉を開けると、カッターナイフで腕の脈を切り、湯に浸してこときれている姉を発見した。

すぱーく主催の飲み会へは姉が妹を誘ったのである。妹は下衆な男達に処女を奪われ、男性に対してトラウマを抱かされ、心に深い傷を負った。最近、生理も来ていない。そんな妹の様子を見たり話を聞いていた姉は罪悪感を感じて自ら命を絶ったのだった。

「お姉ちゃん!?お姉ちゃん!?しっかりしてお姉ちゃん!」

しかし姉の体は既に冷たくなっていた。妹の胸を支配するすぱーく達に対する憎悪な念が更に強まった瞬間だった。


更に数日後 リキッド古書店

リキッドはいつものように店番をしていた。奇人は2階で相変わらず絵を描いている。

「ごめんくださーい。」

18歳程の女性が訪ねてくる。リキッドはいらっしゃいませとも言わずその様子を覗き込んでいる。

「あの、この本おいくらですか?」

女性がリキッドに古書を差し出して値段を尋ねた。

「いくら出せるの?」

「バイト代の…3ヶ月分で。」

「上がって。」

リキッド古書店で行われる定番のやり取りである。リキッドはいつも通りに女性を2階に案内し、それに気づいた奇人が絵描き道具を片付けて茶を淹れる。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.358 )

日時: 2016/10/12 18:57
名前: ああ

女性はすぱーく達に輪姦された姉妹の妹の方だった。妹はこれまでの経緯を詳細に話し、何と妊娠して下ろしたことも伝えた。

話によれば、すぱーくはこの王国の騎士であり、100人隊の隊長という地位に居た。更に国王かっしーの側近の1人の縁戚の息子で将来は重職に就く筈のエリートであるという。だから事件が発覚しても揉み消されたのだった。

女性の目には姉を失った悲しさと、騙された悔しさや怒りが涙となって溜め込まれていた。

「そんな下衆野郎、許せへんなあ!なあリキッド!」

奇人が先程まで描いていた妊婦の絵を隠しながら女性の話に頷きリキッドに同意を求める。

「ああ。俺達に任せろ。お姉さんの仇は必ずとってやる。」

リキッドは二つ返事で答えた。その目には正義の炎が灯っているように、女性には見えた。

復讐屋の2人の仕事がまた始まろうとしていた。


その夜、リキッドと奇人は王都の街路の人気が少ない場所で建物の影に隠れながらすぱーくを待ち伏せしていた。

「おい、来たぞ。」

「ああ。」

リキッドと奇人は騎士姿のすぱーくが此方に向かって歩いてくるのを確認すると、すぱーくの前に飛び出した。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.359 )

日時: 2016/10/12 18:59
名前: ああ

「あん?誰だお前ら。道開けろよ。邪魔だ。」

すぱーくが2人を見るなりイラッとした口調で威圧する。

「俺達は復讐屋だ。依頼人の要請でお前を排除する。」

奇人がサイボーグの体を唸らせ、機械音を放って負けじと威圧する。関西弁?あれは気紛れな縁起だ。

「奇人、此処で殺すなよ。こいつには俺達の拷問を味わってもらうんだからな。」

「分かってるさ。」

リキッドが奇人に注意を促し、奇人は首肯する。

「さっきから何ブツブツブツブツほざいてんだ!?殺されてえのか!?あん!?」

すぱーくが腰の剣を抜いて構えた。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.360 )

日時: 2016/10/12 19:00
名前: ああ

「俺の邪魔をしようってんなら仕方ねえ。てめえらをこの封雷剣の錆にしてやるぜ!」

手に持った剣から雷が発生し、すぱーくは剣先から雷を奇人に向かって放出する。 奇人はそれをサイボーグ特有のジェット噴射で飛んでかわす。

「雷光眼」

奇人のサイボーグの目から激しい光が発せられてすぱーくの視界を遮る。

「目、目がぁ…」

「マシンガンブロー!」

視覚を封じられたすぱーくに、奇人が上空から勢いをつけた拳の連打を叩き込む。街路のコンクリートがヒビ割れて大きなクレーターが出来る。

「それだけかよ。カスが。」

すぱーくの強力な雷の斬撃が奇人の胴を捉えるが間一髪のところで後ろに下がってかわす。

「雑魚の癖に俺様の前にしゃしゃり出てんじゃねえよ!」

剣から稲妻が奇人に放たれる。

「焼却!」

奇人の掌から勢いよく火炎が放射される。火炎と稲妻がぶつかり合って爆発を起こし、暗い夜の闇を明るく照らす。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.361 )

日時: 2016/10/12 19:00
名前: ああ

「奇人、俺も出るぞ。」

後ろで見守っていたリキッドが前に出る。

「悪鬼纏身 インクルシオ!」

リキッドの顔を含む全身を変身ヒーローを彷彿とさせる鎧が覆い、背にはマントが、右腕には赤い穂を持つ槍が出現する。

「1vs1には拘ってねえ。こいつを早いとこ捕まえちまおうぜ!」

奇人がリキッドに応じて爆発が止んだ前方を見据えると、すぱーくが更なる攻撃を繰り出そうと全身に雷を纏っている。

すぱーくの姿が2人の視界から消えると、背後から稲妻の音が聞こえる。

「死ね!」

すぱーくの剣がリキッドを捉えて振り下ろされるが、リキッドにダメージは無かった。

「俺の封雷剣が効いてない…」

「この帝具・インクルシオは竜を素材として作られた鎧だ。お前如きの攻撃など効かん。更に!」

リキッドは再び瞬間移動をしようとするすぱーくの腕を掴んで右手に持つ槍をすぱーくの胴鎧に突き刺す。

「この槍・ノインテーターの攻撃力も強力でな。お前の鎧如きじゃ防げない。」

すぱーくの鎧がノインテーターの突きを受けて砕け散った。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.362 )

日時: 2016/10/12 19:01
名前: ああ

「マシンガンブロー!」

守りを失ったすぱーくの横から奇人のラッシュが叩き込まれる。すぱーくは血反吐を吐きながら倒れた。

「おい、殺してねえだろうな?」

「息はしている。此処からが俺達の仕事の本番だからな。行こうぜ。」

2人によって担がれ、すぱーくの身柄はあの廃工場へと移された。


ガルドリアはずれの廃工場

すぱーくは奇人の攻撃で意識を失っていたが、暫くして目を覚ました。すると自分の足が鎖によって天井に向かって繋がれ、腕も手錠で拘束されていた。それも全裸である。

「おい!なんだこれは!この拘束を外せ!ここから出せ!おいコラァ!」

「まあそう大声出すなよ。声が外に漏れたらまずいだろ。」

奇人がカッターナイフですぱーくの声帯に切れ目を入れる。

「これで大声は出せねえな。うん。リキッド、後は任せる。」

リキッドはそれには返事も頷きもせずに奇人からカッターナイフを取り上げる。

「俺達はアンタに輪姦された女性の依頼を受けたんだよねぇ。」

リキッドがすぱーくに言い放つ。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.363 )

日時: 2016/10/12 19:01
名前: ああ

「俺はこの王国の重役の縁戚で将来を約束されたエリート騎士だぞ!こんなことしてただで済むと思うなよ!」

すぱーくが小さな震える声で精一杯声を絞り出す。

「以前依頼を受けて始末したカースオブキャットとかいう大臣も同じようなこと言ってたけどねぇ。お前さんこそ、か弱い一般国民を騙して身勝手な欲望を満たして傷つけて、それでただで済むと本気で思ってる?」

リキッドがカッターナイフをすぱーくの局部に当てがう。

「お前さんのチ◯コを引っこ抜いて、ケツの穴にぶち込んでやる。」

「…って感じのセリフが欧米の映画とかドラマとかでよく使われてるけど、まあこういうのはそんなことをするわけがないと思ってる上での、言わばブラックジョークなんだけど…」

「俺はジョークを言わないタチでねぇ。」

リキッドが話を終えると、カッターナイフですぱーくの一物を切り取り、それを肛門に文字通りぶち込んだ。

「許して下さいー!ごめんなさいー!」

一物を切り取られた局部とそれを挿入された肛門の痛みに耐えながら、すぱーくは命乞いを始めた。

「お前さんのような下衆を生かして帰すなんて真似はしない。」

リキッドは冷たく言い放った。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.364 )

日時: 2016/10/12 19:02
名前: ああ

すぱーくはリキッドに廃工場から担がれ、近くを流れるグワダ川の水面にすぱーくの顔を押し付けて溺死させられた。遺体は運ばれてすぱーく宅の門前に晒すように捨てられた。

「ニュースです。ガルガイド王国騎士・すぱーく氏が自宅前で遺体となって発見されました。局部が切り取られて肛門に挿入された状態での発見で、王国騎士団は他殺の線で捜査に当たっています。」

昼のニュースを見ながら昼食のラーメンを2人で啜っていたところに、古書店を訪ねる客があった。

「リキッドさん、奇人さん、本当にありがとうございました。これで姉も少しは浮かばれると思います。」

復讐代行を依頼した女性だった。

「お姉さんを偲ぶ気持ちは分かるけど、これからはちゃんと自分の人生を考えないといけないよ。」

リキッドが女性に優しく諭す。

「俺達は法で裁けない、国が裁かない、裁こうともしない悪を裁く復讐屋だ。また何か会ったら来なよ。」

「リキッドさんは復讐屋という仕事に誇りを持ってるんですか?」

女性が恐る恐る疑問をぶつけてみる。

「どうだろうねぇ。少なくとも、君の依頼によってすぱーくは始末された。それで大勢の女性が狙われることもなくなって助かったと思うねぇ。」

リキッドの答えを聞いて満足した女性は、一礼してリキッド古書店を後にした。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.365 )

日時: 2016/10/12 19:02
名前: ああ

リーナ・ロシアンティが営む喫茶店兼バーでは、リーナ含めてエイジス・リブレッシャー、エリス・グリモワール、そしてガルガイド王国騎士団に復帰したレイン・ヴァントニル、照葉樹林咲が貸切で集まっていた。

王都ガルドリアで最近立て続けに発生している要人殺害事件に対応すべく、国王かっしーの命令で騎士である3人にも4日後の神チー相国就任式における護衛役として召集がかけられたのである。

4日後に大臣に就任する神チーは、以前話にあった通りの悪徳商人であり、レインを騙して誘拐した犯人である。

現実世界には「奇貨居くべし」という言葉がある。

春秋戦国時代末期、秦の相国にまで上り詰めた呂不韋が残した言葉である。彼は商人であったが、後の始皇帝である秦の王子・政を自らの財力によって王位に就けることに成功し、相国に就任したのである。

神チーはかっしーに目をつけ、悪徳で稼いだ財力をかっしーに注ぎ込み、王太子の1人にまで格上げさせた。先王桑田の養子に先になったのがサバであり、当然サバが次期国王だと誰もが思っていた。

かっしーは母親の身分が低い故に、桑田の甥でありながら王太子候補ですらなかったのである。それを押し上げて王太子にしたのが神チーだった。

かっしーがサバとの後継者争いに勝利し王となったので、かっしーにとって第一の功績者である神チーが相国に就任することになった。

しかし神チーが過去にしたことをエリス達は知っている。そこで今後の去就をどうするか話し合う為に集まっているのである。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.366 )

日時: 2016/10/12 19:02
名前: ああ

ガルガイド王国の国政を担う大臣や上位の騎士が2週間で8件も発生していた。暇を出していたエイジスを除いて、エリスやレインにもその際に召集がかかり、事件の捜査にあたっていたが犯人を特定するには至らなかった。

そんな中、神チーの護衛は最優先課題となったのである。

「俺は…どうすればいいんだ。」

エイジスは迷っていた。大切な人を、レインを騙して売り飛ばそうとした卑劣な男がこの国のNo.2になろうとしている。まだ気持ちの整理がついていない上に、こんな事態になっているのである。

「俺は王国に忠誠を誓った騎士だ。だが、レインがされたことを考えると…!」

エイジスは立ち上がって店を出ようと足を進めた。

「エイジス、何処行くの?」

「少し1人で考えさせてくれ。」

レインにそう答えたエイジスは険しい表情のまま店を後にした。

「少し1人にしてあげた方がいいわね。」

リーナはコーヒーを淹れ始める。

「こんな時にエイジス君に何もしてあげられないなんて…」

咲は暗い顔でそう呟いた。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.367 )

日時: 2016/10/12 19:03
名前: ああ

エイジスは自宅の自室で数時間もの間、思い悩んでいた。

「レインのことも、国のことも俺は諦められない…!どちらかを捨てるなんて、俺には…!」

大切な人への思いと国への忠誠の板挟みになり、エイジスはこれまでに無いほど苦しんでいた。

ピンポンと、自宅のインターホンが鳴る音が聞こえる。ドアを開けると、レインが立っていた。

「急にごめん。エイジス、入っていい?」

「…ああ。」

自室に案内すると、レインは笑いながら言った。

「エイジスの部屋、久しぶりだわ!」

「そうだな、今お茶でも淹れるよ。」

エイジスは1階の台所に行き、紅茶を2人分淹れて持ってきた。

「ねえエイジス、貴方は騎士なんでしょ?」

紅茶を啜りながら、レインは決まりきったことを聞いた。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.368 )

日時: 2016/10/12 19:04
名前: ああ

「当たり前じゃないか、だから苦しんでるんだ。」

エイジスが苦しげに答えた。

「エイジス、私の為にこんなに悩んでくれてる。」

「当たり前じゃないか、お前は大切な人なんだから。」

チビチビと紅茶を啜りながらレインの問いに尚も答える。

「私のことを真剣に考えてくれて、それでいて騎士として忠誠を捨て切れないでいる。そんな貴方が私は好き。」

「好きって…その…」

突然の告白に戸惑うエイジスの口を、レインの唇が塞いだ。

「!」

急なことだった。エイジスは目を丸くしている。

「ねえ、もう迷わなくていい。国への忠誠を貫くエイジス・リブレッシャーでいいじゃない。私なら大丈夫だから。そんなエイジスが好きだから。」

唇を離したレインに、今度はエイジスが自らの唇を押し当てた。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.369 )

日時: 2016/10/12 19:04
名前: ああ

リキッド古書店に新たな依頼人が訪ねてきていた。

「この本、いくらするの?」

依頼人が本を手に取り、リキッドに差し出す。

「いくら出せるの?」

「給料の3ヶ月分で。」

聞き覚えのある声である。リキッドが見上げて顔を見ると、確かに見知った男だった。

「お前、平行じゃないか。まあ上がれよ。」

「ああ。」

リキッドは平行を2階に案内し、いつもの様に奇人が茶を淹れて差し出す。

「で、どんな依頼なの?」

リキッドに話を催促され、平行は茶を啜って暫くすると口を開いた。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.370 )

日時: 2016/10/12 19:05
名前: ああ

「4日後に神チーの就任式が行われることはお前も知ってるよな?」

「ああ。それがどうかしたのか?」

平行の口ぶりでリキッドは依頼の内容を大体察した。

「4年前になる。俺の部下は偶然奴が性奴隷の売買を行っているところを発見し、気づかれて殺された。」

「俺は立場の問題もあるし、納めている領地や民や家臣のこともあり、仇を取ることが出来ない。だからお前に頼む。部下の仇を取って欲しい。神チーを討ち果たして欲しい。」

平行は話を終えるとアタッシュケースを取り出してリキッドに渡した。リキッドが中を確認すると、はち切れんばかりの金貨が詰まっている。

「分かった。俺達復讐屋の手で神チーを討ち果たす。」

「相国を殺すのか。これは腕が鳴るぜ!」

奇人が両手を合わせて鳴らした。

「頼んだぞ、復讐屋。」

平行はアタッシュケースを置いて立ち去っていった。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.371 )

日時: 2016/10/12 19:05
名前: ああ

3日後の夜である。エイジスはエリスやレインと共に翌日行われる就任式に備えて神チーの護衛任務に就いていた。

神チーは他の大臣との打ち合わせの為に、官邸を訪ねる為に自邸を出発し、護衛されながら馬車で人気の無い街路に出ていた。

「来たぞ。あの馬車に乗ってるのが神チーだ。」

奇人が馬車を確認すると、リキッドに目配せをする。

「あの護衛の騎士は氷河期…!いつかこんな日が来ることは予感してたが、案外早かったな。」

エイジスの姿を見たリキッドは覚悟を決めた。

「浪漫砲台パンプキン!」

リキッドは銃型の帝具を出現させて馬車に狙いを定める。そして引き金を引いた。

パンプキンが放つ弾道が一直線に神チーの乗る馬車に伸びていく。しかしすぐに気づいたエイジスの槍によって弾かれてしまった。

「誰だ!」

襲撃を察したエイジスが辺りを見回す。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.372 )

日時: 2016/10/12 19:06
名前: ああ

「俺だよ氷河期。お前相手に黒いコートとか被って正体を隠してもすぐに剥ぎ取られるのがオチだろうから此処は正面から行くぜ。」

帝具を持ったリキッドと、奇人が氷河期の前に姿を現した。

「リキッド…じゃあ最近起こっていた要人連続殺人は…!」

「それも俺だ。」

かつての仲間による犯行を知り、歯をギリギリと食いしばって苦い表情をエイジスは作った。

「リキッド…そうか。お前はそういう道を選んだんだな。だが俺はこの国に忠誠を誓った騎士だ!お前のしたことを、これからしようとしてることを見過ごすわけにはいかない!」

「冷殺剣!」

エイジスは腰の剣を抜いて上段に構える。

「俺は復讐屋だ。依頼人から復讐を依頼されればそれを遂行する。もう二度と 引き下がれないねぇ。この国に救う癌を俺は一掃する!」

「万物両断 エクスタス!」

等身程ある鋏の帝具を出現させて持ち手に手をかけるリキッド。

「リキッドォォォ!」

「氷河期ィィィ!」

道を違えた2人の生き様が今、交差する。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.373 )

日時: 2016/10/12 19:06
名前: ああ

「リキッドが氷河期を引きつけてる間に俺が神チーを…!」

サイボーグ奇人が念動波で地面を叩き、自らのスピードとパワーを上昇させる。

「焼却!」

奇人の腕から大量の火炎の塊が直線的に噴出され、神チーが乗っている馬車を燃やし尽くさんと飛んでいく。

「クロスホーリーシールド!」

焼却を防いだのはレイン・ヴァントニルの技だった。

「何事だ?」

中の神チーが馬車の扉を開けて外の様子を確認する。

「襲撃者です!エイジスが1人を、私がもう1人を引きつけます!その間にお逃げ下さい!」

レインが後ろを振り向いて神チーに進言した。

「分かった。頼んだぞエリス。」

「はっ!」

馬車の中に戻った神チーがエリスに守られて逃走を図ろうとする。

「逃がさん!焼却!」

奇人が辺り一帯を巻き込む勢いの火炎を全身から噴射させて神チーの行く手を阻んだ。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.374 )

日時: 2016/10/12 19:06
名前: ああ

「エイジストラッシュ」

エイジスが冷殺剣でリキッドに高速剣撃を繰り出そうと飛び掛かる。

「鋏(エクスタス)!」

リキッドが持つ鋏の帝具・エクスタスから眩い光がエイジスに向けて発せられる。

「目が…!」

エイジスは光に視界を遮られた。

「この万物両断 エクスタスはどんな対象でも両断出来る帝具だ!」

鋏の刃と刃が開かれ、間に居るエイジスを捉えて両刃の距離が縮まった瞬間、エイジスは上に跳んで回避した。

「思えば長年一緒に居たがお前の能力を見たことは無かったな。だがお前にどんな力があろうと王国最強騎士の俺には敵わない!」

「冷凍の矢(フリージングアロー)!」

氷と冷気の矢が放たれる。リキッドはそれをエクスタスで受け止める。しかしエクスタスは凍り始めてしまった。

「まだまだぁ!帝具はまだある!」

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.375 )

日時: 2016/10/12 19:07
名前: ああ

「五視万能 スペクテッド!」

「一斬必殺 村雨!」

リキッドの額に目の形をした帝具が、右手には日本刀の帝具が出現した。

「輝く流星の矢(スターライトアロー)!」

エイジスが放った聖なる光の矢が無数に分裂してリキッドに降り注ぐ。リキッドはそれを村雨で全て弾いた。

「お前のその動き、さっきとは大違いだな。」

「スペクテッドは敵の動きを読んだりすることが可能な帝具だからな。お前の動きを未来視することも出来る!」

リキッドが下段に構えて村雨を持ちながらエイジスに特攻する。

「読めてもついていけないんじゃ意味無いんだぜ?エイジストラッシュ!」

高速剣撃がリキッドに炸裂した。全身を傷つけられ、血飛沫が舞う。リキッドの村雨はエイジスに届かなかった。

「クソッ!」

リキッドが膝を地につけて刀を杖代わりに何とか上体を保つ。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.376 )

日時: 2016/10/12 19:07
名前: ああ

「名残惜しいが終わりだリキッド。氷の千本槍(ブリザード・サウザンドランス)!」

千本の氷の槍が宙に展開され、次々にリキッドに降り注ぐ。

(こんなところで死ぬわけにはいかない!俺には遂行しなければならない正義がある!)

「インクルシオォォォ!!」

リキッドの魂の鼓動が帝具・インクルシオを顕現させ、更に進化して姿を変える。黄金に輝く龍型の鎧となり、背中に翼が生えた。

覚醒した帝具の力を得たリキッドがインクルシオの副装備である槍・ノインテーターで降り注ぐ氷の槍を全て砕き落とした。

「行くぞ氷河期ィィィ!!」

高速飛行で氷河期目掛けてノインテーターを突き出す。

「氷の槍(アイスブロックパルチザン)!」

エイジスが氷の槍を作り出して応戦するが、氷の槍はノインテーターに簡単に砕かれた。

「うおおおおおお!!」

ノインテーターがエイジスの胸部を捉えて突き刺された。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.377 )

日時: 2016/10/12 19:08
名前: ああ

ノインテーターを胸部に突き刺されたエイジスが吐血し、動きが止まった。

「勝った…!勝ったぞ!王国最強騎士に勝った!待ってろ奇人!今すぐ加勢に…!」

「ブリザード・ディバインバースト」

背後から寒気と強烈な気配を感じると、冷気の波動がリキッドを呑み込まんと伸びてきた。

「ッ!」

リキッドはインクルシオの飛行能力でそれをギリギリのところで回避した。上空から地上を確認すると、殺した筈のエイジスが立ってリキッドに視線を向けていた。

「一回の戦闘で一度しか使えない、死ぬ程の攻撃を受けた後に分裂して生体と意識を転移させる技だ。使ったのは2回目だ。」

分裂した後の死体の方のエイジスの体が地に横たわっていた。

「仕留めたと思ったんだがな。」

リキッドが苦虫を潰した様な表情で漏らす。

「進化した帝具で俺を圧倒したつもりだろうが、俺にもまだ進化形態があることを失念したわけじゃないよな?」

エイジスが全身に魔力を流して冷気が周囲に流れる。

「フェンリル」

エイジスの姿が狼に変化する。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.378 )

日時: 2016/10/12 19:09
名前: ああ

「エターナルフォースブリザード…!」

エイジスの全身から冷気が溢れ出す。広範囲の冷気波動がリキッドのインクルシオの翼や下半身を凍りつかせた。リキッドはそのまま地に落下してしまった。

「リキッド。この俺を相手にそこそこ以上に戦えたのはこの世界でお前が3人目だ。誇っていい。」

地に倒れ伏したリキッドにトドメを刺すべく、口に冷気と魔力を込め始める。

「図に乗るなよ氷河期。もう勝ったつもりか?」

倒れ伏したながらリキッドが声を振り絞る。

「強がるな。お前はもう虫の息だ。」

「まだだ!もっと力を俺に寄越せ!インクルシオ!」

インクルシオがリキッドの声に応え、更なる進化を遂げて竜人のような姿になった。

「ブリザードフォースディバインバースト」

エイジスの口から冷気波動が放出されるが、リキッドは氷を破壊して立ち上がり、ノインテーターで薙ぎ払った。

「あと一回殺せばお前はもう復活出来ない!」

瞬速でエイジスの頭上に飛び、ノインテーターを投擲する。

「オオオオオオオオオオオオオオオオン!」

狼となったエイジスの咆哮が音圧の衝撃波となり、投擲されたノインテーターの威力を抑えるが完全に威力を殺し切れずにエイジスの前脚に突き刺された。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.379 )

日時: 2016/10/12 19:09
名前: ああ

「ファフニール」

エイジスが莫大な魔力を放出しながら狼から龍の姿へと変化する。

「この姿で戦うのはお前で2人目だよリキッド。」

腕を傷つけたノインテーターを全身から発せられる冷気で凍らせた。

「無想・氷樹海浸殺」

龍の姿のエイジスが咆哮し、それに呼応するかのように大地から無数の氷に覆われた蔦が出現し、高速飛行で逃れようとするリキッドを捕らえて枝で串刺しにした…筈だった。

「ノインテーターは返してもらうぞ。」

枝や蔦を破壊したリキッドが素早く飛行して氷漬けにされたノインテーターを回収すると、表面を覆っていた氷は消滅した。

「その鎧の進化による強さ、俺の禁術を打ち破る程とはな。だが!」

「サウザンドフォースブリザードバースト」

エイジスから見て眼前から無数の冷気の波動がリキッドに向けて放出された。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.380 )

日時: 2016/10/12 19:10
名前: ああ

「グオオオオオオオオオオオオオ!!」

異常な冷たさの冷気と魔力をノインテーターで防ごうとするも、防ぎきれない。リキッドを無数の冷気波動が呑み込んだ。

「へえ、まだ生きてるか。」

リキッドは命を繋いだが胸から上を除いて凍ってしまっていた。しかし今回の冷気は絶対零度を1℃程下回る攻撃であり、リキッドのインクルシオは耐えきれず消滅していた。

「勝ったのは俺の正義だったようだなリキッド。」

エイジスがトドメを刺すべく全身に魔力を込め始める。

「此処までか…すまない平行、依頼は失敗だ。」

リキッドが死を覚悟した時である。

「ヒャッハァァァァァ!!」

甲高い叫びと共に何と神チーの自宅を持ち上げている男がエイジスの頭上に現れ、神チーの自宅をエイジスに投げつけた。

しかしエイジスにそんな単純な物理攻撃が効く筈が無いのだが、エイジスの体には大きな痣と傷がつけられた。龍の体から大量に血飛沫が舞う。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.381 )

日時: 2016/10/12 19:10
名前: ああ

家の下敷きになって道のコンクリートにエイジスがめり込んでいる隙にオルトロスはリキッドに近づいた。

「ようリキッド!今の内に逃げるぜ!」

男は拳を叩きつけてリキッドについている氷を破壊し、手を取った。

「お前は、オルトロス!クワッタの戦いで力を奪われて討たれた筈じゃ…!」

「話は後だ!こいつはやべえ!今はさっさと逃げるんだよ!」

呆気に取られるリキッドの腕を掴んで、ベクトル操作の能力を使い高速移動で逃走を図る。

「待て、奇人がまだ残ってるんだ!」

「じゃあそいつも回収して逃げるぜ!」

「待て!逃がさないぞ!夢想…」

エイジスが反撃する前にオルトロスがリキッドの体を持ち上げて右肩に担ぎ、その場を高速で離れた。オルトロスは女騎士3人と交戦中の奇人も回収して左肩に担いでその場を逃げ去った。

「後少しだったのにとんだ邪魔が入って逃げられたか!クソッ!」

エイジスは自らに覆い被さる家の残骸を吹き飛ばすと、元の姿に戻った。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.382 )

日時: 2016/10/12 19:10
名前: ああ

同じ頃、李信はマロンや新たに仲間になったWあと共にグリーン王国の王都グリーンバレーで深夜徘徊に繰り出していた。

「この世界、24時間営業のコンビニとか無いんだよなー。あー、アイス食いてえ。バニラ味の。」

この世界に来てクールキャラを演じていた李信はすっかりその仮面を気分次第で外すようになっていた。

「居酒屋とキャバクラと風俗店くらいしか開いてないですねー。二次元美少女とあんなことやこんなことをするのも悪くないですよ直江さん。」

Wあが言っている通り、王都には風俗街がある。店前で客引きをする肌を露出させた嬢が何人も見受けられる。

「Wあ先輩、俺は今女よりもアイスが食いたいんすよ。アイス。何処で売ってんのかなアイス。」

Wあが思案していると、マロンが口を挟む。

「そもそもこの世界にアイスクリームってあるの?見たことないんだが。」

「確かに見たことないな。仕方ない此処はチョコレートで手を打とう。」

マロンの指摘が最もだと思い、李信は考えを改める。

「今食い物がある店は居酒屋以外開いてないですよ。」

Wあが的確に突っ込む。

「居酒屋に甘い物あるのかな?まあ行ってみましょう。」

「風俗街はまたの機会にな。今はムラムラしないんで。ちょっと離れるが居酒屋に行きますか。」

3人は風俗街を後にした。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.383 )

日時: 2016/10/12 19:11
名前: ああ

3人は人気の無い道に差し掛かった。

「Wあ先輩、マロン君。」

李信は不意に2人に声をかけた。

「はい、俺も感じますよ。」

「誰か居るよな。」

2人も首肯で頷く。気配を感じるのである。

「第四波動」

炎熱の波動が3人目掛けて建造物の上から突然降ってくる。

「縛道の八十一 断空」

李信が鬼道による防御壁を展開してそれを防ぐ。

「破道の三十一 赤火砲」

李信は掌から赤色の火球を、第四波動が放たれた場所に向けて撃ち放った。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.384 )

日時: 2016/10/12 19:12
名前: ああ

「バルカンショックイグニション」

巨大な火球が放たれ、赤火砲と相殺される。すると襲撃者がテレポートで突然李信の目の前に現れ、両腕を合わせてドリルに変形させて突き出す構えを見せる。

「デッドリーメイルストロム」

「外殻静血装(ブルートヴェーネ・アンハーベン)」

ドリルによる突きを球型の防御壁で防ぐと、後ろの2人が襲撃者に攻撃を繰り出す。

「破壊光線!」

「バララークサイカ!」

Wあとマロンが放った遠距離攻撃は襲撃者を捉えた。

「大聖弓(ザンクト・ボーゲン)」

李信も無数の光の矢を至近距離で襲撃者に浴びせかける。

「テレポート」

襲撃者は3人の攻撃をテレポートで回避し、3人から見て左に姿を表す。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.385 )

日時: 2016/10/12 19:12
名前: ああ

「鳴け 清虫」

李信が跳躍し、襲撃者の真上に出る。

「清虫二式・紅飛蝗」

抜刀された李信の斬魄刀から無数の刃が分かれて展開されて雨のように襲撃者に降り注ぐ。

「女神の盾(シールド・オブ・イージス)」

襲撃者は左手を宙に翳して無数の刃による攻撃を無力化する。

「亜空切断!」

李信の攻撃を受け止めている襲撃者にWあが空間を切り裂く斬撃を飛ばす。

「極大魔法・雷光滅剣(バララークインケラードサイカ)!」

魔装したマロンが放つ極大の雷がWあの斬撃と合わさり、襲撃者に襲いかかる。

「縛道の六十一 六杖光牢」

襲撃者が攻撃に対処出来ないように、李信が宙から鬼道を放ち、動きを封じる。Wあとマロンの攻撃が襲撃者に命中した。

凄まじい爆音と共に、周囲の建造物を悉く吹き飛ばす。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.386 )

日時: 2016/10/12 19:12
名前: ああ

「やったか?」

爆風を手で遮りながら目を細めたマロンが呟く。

「やってないようですね。」

Wあがそれに応えると、爆発が止んだ場所に襲撃者が立っていた。

「ドッペルゲンガーによる再生能力とシールド・オブ・イージスを駆使しなければやられていたな。」

襲撃者に外傷は見受けられない。

「俺の魔装を使っても駄目なのかよ!」

マロンが拳を地に叩きつける。

「2人とも離れてくれ。俺がやる。」

李信の言葉に頷いて2人はWあのテレポートで後方に距離を取る。

「ほう?お前に何が出来る?」

「卍解」

地に降り立って襲撃者の背後に回った李信の斬魄刀から大きな霊圧が漏れる。

「清虫終虫・閻魔蟋蟀」

李信と襲撃者を取り囲む巨大な黒いドーム状の空間が出現する。

「これで視覚・聴覚・嗅覚・触覚・霊圧感知を封じた。死ねぇ!」

襲撃者は感覚を封じられて何も出来ない。その状態の襲撃者に刀を上段の構えから踏み込んで振り下ろした。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.387 )

日時: 2016/10/12 19:13
名前: ああ

「重力操作(グラビトン)」

振り下ろした刃が襲撃者の胸に斬りつけられようとする瞬間、凄まじい重力が発生し、李信の体は地に叩き伏せられる。地面に体がめり込む程の重力が完全に動きを封じた。卍解も解除されてしまう。

「こんなものは子供騙しだろ?」

襲撃者が仮面の内側から声を発して挑発する。

「聖唱(キルヒエンリート)」

李信が短く唱えると、2人を取り囲むように光の結界が構築され始める。

「聖域礼賛(ザンクト・ツヴィンガー)」

光の柱を中心に、円形の結界が完成する。

「神の光に切り裂かれろ!」

無数の光が結界の上下から襲撃者に降り注ぐ。襲撃者の仮面は光によって切り裂かれ、その顔が露わになる。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.388 )

日時: 2016/10/12 19:14
名前: ああ

「テレポート」

面が割れた襲撃者はテレポートで、当たれば致命傷に成り得る攻撃を回避し、後ろへ距離を取った。

「お前は…」

「クワータリアで氷河期に凍らされた赤牡丹だよ。」

顔を見て一瞬絶句する李信に襲撃者が名乗る。

「生きてやがったのか。また俺を殺そうってか?上等だ。」

刀を下段に構え、次なる赤牡丹の出方を窺う。

「いや、もうアンタと敵対する気は無い。今のは力試しだよ。サバも死んで領地もかっしーに没収されたんでな。世話になろうと思ったが、ただ再会するだけじゃつまらない。そこで遊びに付き合ってもらったのさ。」

赤牡丹が正体を隠す為の黒いコートを脱ぎ捨てて戦闘継続の意思が無いことを示した。

「いいだろう。今から3人で行こうとしている所がある。そこでいろいろ聞こう。」

刀を腰の鞘に収めてWあとマロンに目配せすると、2人も戦闘態勢や魔装を解いて歩き出す。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.389 )

日時: 2016/10/12 19:14
名前: ああ

4人は王都の中心街にある居酒屋に入り、テーブルを囲んで椅子に腰を下ろした。

「店員さん、アイスクリームあります?」

メニュー表を開いて見るのも面倒だった李信が店員を呼び止めて尋ねる。

「はい。セルフサービスになりますのであちらの容器を取ってあちらの機械から味を選んで出して下さい。」

「はーい。」

御目当てのアイスクリームがやっと食べられると思うと、速やかに席を立ってアイスクリームを取りに行く。

「で、殺そうとした相手に世話になろうだなんて貴方も図々しいですねぇ。」

Wあが真顔で赤牡丹に言葉を突き刺す。

「昨日の敵は今日の友って言うだろ?それに俺達同じ二次元派じゃん仲良くしようぜWあさん。」

「面の皮が厚いですね赤牡丹さんは。」

赤牡丹の返答にWあが呆れたと言わんばかりの顔をする。

「まあいいんじゃね?よろしくな隠密。」

「おうよろしくマロン。」

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.390 )

日時: 2016/10/12 19:15
名前: ああ

「話は分かった。領地が没収されて行き場が無いのな。俺の空いてる屋敷を使っていいよ隠密さん。あーアイスうめえ!次はチョコレート味食う!」

「流石は直江さんだ!話が早い!」

先程までのことなど忘れたようにすっかり二次元派時代のように打ち解けていた。Wあも元々大人なので引きずることはせず丸く収まった。

「で、何で生きてんの?氷河期さんに凍らされた筈だよな。」

「あーあれ?あの後君達が去った後、俺の炎熱系能力で何とか脱出したんだよ。でも戦おうにもなー人数的に分が悪いからそのまま逃げた。」

赤牡丹はそれからこれまでの経緯を話した。かっしーによって領地が没収された後、旧領は直轄地になったらしい。それから暫く持っていた金で放浪しながら生きいたが、このままではいずれ餓死すると考え、グリーンバレーに来たとのことだった。

「あー、かっしーマジうぜえ。ぶっ殺してやりてえけどさ、俺1人じゃ厳しいじゃん?それにぶっ殺しても俺の食い扶持が確保出来るわけじゃないじゃん?だから此処に来た。」

「ま、その内動きがあるだろ多分。ほら飲め。」

赤牡丹の話を聞き終わると、李信が赤牡丹に酒を勧めた。赤牡丹はそれを一気に飲み干した。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.391 )

日時: 2016/10/12 19:15
名前: ああ

翌早朝、李信の屋敷を訪ねてくる者があった。まだ6時だというのに屋敷のインターホンが鳴る。熟睡していた李信は眠りを見事に妨げられた。

「二日酔いでねみー。最近客が多いなー。はーいどなたー?」

「よう…ちょっと急用でなあ、中に入れてくれや。」

李信が扉を開けるとリキッドと見知らぬサイボーグを担いだ、自らが殺した筈の男が立っていた。


「で、リキッドは傷だらけだし俺がこの手で力を奪って殺した奴が生きてるし何があったんだオルトロス。」

「お前が殺した俺ってのは俺のクローンだよ。お前アニメは見てたろ?レベル5の某電気使いを大量生産したあれだ。しかも最近の技術は素晴らしい!能力、強さを丸々複製したコピー体を作れるんだ!まあそうすると一体しか作れないんだがな。しかも俺しかその対象にはなり得ない!すげえご都合主義だろ!コピーがお前と戦ってる間に俺がどうしてたかとかそういう細かいことは気にすんな!此処二次元なんだし!」

オルトロスが遠慮も無く大きな声で話す。

「おい朝っぱらからでけえ声出すなよ。俺は二日酔いなんだ。慣れてないのに酒なんて飲むもんじゃねーな。で、リキッドとそのサイボーグは何なんだ。」

李信が頭を抱えながら掠れた声で問い質す。

「よう直江ェ…久しぶりだなぁ…。元国関の戦い以来だなぁ…。」

傷だらけの体でリキッドが口を開く。

「何があった?」

「氷河期の野郎と戦ってこのザマだ。危うく死ぬところをオルトロスに助けられたんだ。」

リキッドがか細い声で答える。

「何で同じ国の騎士同士が殺し合うんだ?わけわかんねーな。」

「俺、ガルガイドの腐敗を見てもうこの国には尽くせないと思って騎士を辞めたんだ。んで、復讐屋を始めて依頼でガルガイドの大臣や騎士を拷問して殺してたんだ。ある日平行が訪ねて来て、相国に就任する神チーへの復讐を頼まれてな。神チーを見つけたんだが氷河期が護衛してやがったんだ。戦闘になってこのザマよ。」

リキッドが声を振り絞って最後まで話し終える。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.392 )

日時: 2016/10/12 19:16
名前: ああ

「俺は奇人だ。あんな国はもう必要無いと思う。腐敗が進み、上層部の身勝手な欲望や重税の為に苦しんでいる。俺とリキッドは復讐屋として色々な奴を拷問にかけて抹殺してきたがどれも吐き気を催す下衆ばかりだ。」

奇人がリキッドの手当てをしながら話す。

「俺が予見したことが現実になったようだな。奴らを滅ぼしこのグリーン王国の領土とすれば民は救われ、この俺の領地も増える。よし、協力してやろう。それと増えた領地の領民には善政を敷くから安心しろ。政治をやるのは俺じゃなくてキモ男さんとポルク氏だがな。それとお前らにはこの屋敷の一室をそれぞれ使わせてやる。」

「ありがたい。恩に着る。」

奇人が一礼し、リキッドの手当てを続ける。

「さて、グリーンに話を通すか。外出の支度をしなきゃな。」


昼、李信は3人を伴ってグリーン城に登城した。

「と、いうわけだ。今回は直接ガルガイドと国を挙げて戦争する必要は無い。お前にはこいつらを匿うことと、諸々の許可を貰いたいだけだ。」

「この国を戦争に巻き込むのだけは勘弁な。勝ったとは言え、先の戦争で国は疲弊している。」

「分かってる。」

「ならいい。もう行け。」

グリーンとの対面は終わった。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.393 )

日時: 2016/10/12 19:16
名前: ああ

神チーの就任式はエイジス達の尽力によって無事に終了した。神チーがガルガイド王国の相国になったのである。

「ご苦労だったな氷河期。これは礼だ。受け取れ。」

式を終え、エイジスは神チーに相国の部屋に呼び出されていた。神チーはタ◯コプターを手渡した。

「これって…」

エイジスは見覚えのある道具を渡されて戸惑う。

「タ◯コプターだ。これをつけて空から王都を眺めるのも悪くないぞ。」

「ありがたく頂戴致します。」

エイジスは両手でタ◯コプターを受け取ると、一礼して部屋を退出した。

「これでみんなでゆっくり遊べる日が来るといいな。その為にはリキッドのような反逆者は排除しなければ。」

エイジスは取り逃がしたリキッドのことを考え、険しい顔つきで城を出た。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.394 )

日時: 2016/10/12 19:17
名前: ああ

翌日、エイジスはエリスやレインと共に城に呼び出されて王の間でかっしーに謁見していた。

「偵察任務…ですか。」

「グリーン王国の李信に不穏な動きがあってな。李信の与板城を預かるキモ男という者がセール領のランドラ城でセールと密かに会って商談をしているとの話が出てきている。ランドラまで行ってそれを確かめて来て欲しい。また戦争を始めるつもりやもしれん。」

任務の内容を聞いたエイジスは頭を深々と下げ、「承知致しました。」と答えた。

「すぐに行け、エイジス。」

「はっ!」

エイジスは一礼して王の間を後にした。

「お前達には別の任務がある。反逆者・リキッドがグリーンバレーの李信の屋敷に匿われているとの噂が流れている。その偵察に行ってもらいたい。噂が本当なら、李信からリキッドの身柄を引き渡させるのだ。お前達は我が王国が誇る強き騎士。幸い李信は個人戦闘での勝率はあまり高くないそうだ。頼んだぞ。」

「はっ!」「はっ!」

2人の女騎士も一礼して退出した。物語は再び動き出そうとしていた。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.395 )

日時: 2016/10/12 19:17
名前: ああ

旧ランドラ帝国領 現セール領 ランドラ城

先の戦争による功で、グリーン王国により本領安堵に加えてガルガイド王国領の内5郡と旧ランドラ帝国領を与えられた大将軍・セールは、もはや一つの国と言っていい程の勢力となっていた。本拠をランドラ城と定め、日々力を蓄えている。

そんなセールのもとに、1人の男が交渉の為に訪ねていた。ランドラ城の中御殿の一室でキモ男は待機していた。暫くすると、筋骨隆々の男が扉を開けて入室してきた。

「グリーン王国与板城代・キモ男です。大将軍セール殿にお取次ぎ願いたい。」

「セール家臣・筋肉即売会です。承りました。」

筋肉即売会が一礼して去る。暫くすると、筋肉即売会が戻ってきて本御殿に通された。先の戦争で水素がゲノンを倒したのもこの場所である。キモ男は筋肉即売会の案内で本御殿のセールと対面した。本御殿にある一室で、円卓を囲んでの対面である。

「与板城代・キモ男です。本日は城主の意向により参りました。」

「大将軍・セールだ。用件を聞こう。」

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.396 )

日時: 2016/10/12 19:18
名前: ああ

「と言っても用件を聞く必要は無いな。直江に頼まれた新式銃500丁と弾薬は用意してある。持って行け。他には売らないからな。特別だぞ。あいつのおかげでこんな大領を領することが出来たんだからな。」

セールは自信の能力であらゆる武器や兵器を使用することが出来る能力者だった。その力を使って、この世界で製造出来そうな銃に目星をつけ、ついに2000丁の製造に成功したのだった。

「ありがとうございます。これは銃の代金になります。」

キモ男はアタッシュケースを3つ取り出してセールに差し出した。セールがケースを受け取り、中にある金を数える。

「確かに受け取った。弾薬ならいつでも売ってやる、武器は製造次第だが、と直江に伝えてくれ。それと、新式銃や弾薬の輸送は俺の方で手配した。俺の軍の輸送隊にすぐ運ばせる。キモ男殿も一緒に与板に帰るといい。その方が安全だ。」

「しかと心得ました。お心遣い、痛み入ります。それではこれにて。」

セールの厚意に感謝を述べてキモ男は一礼して去り、組織された輸送隊や購入した品物と共に与板城への帰路についた。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.397 )

日時: 2016/10/12 19:18
名前: ああ

「あいつは確か戦争で直江の隊の副官だったキモ男とかいう奴じゃねえか。セールの兵に守られながら荷車で何かを大量に運んでやがる。」

「阻止したいところだがセールと戦闘に及ぶのはまずい。国際問題をガルガイド側から引き起こすことになるからな。此処は帰って有りの侭を報告しよう。」

エイジスは身を隠しながら旧帝都ランドラで偵察任務についていた。ランドラの中心街で、セールの輸送部隊2000程に守られながらグリーン王国の李信領に向かっているキモ男を発見したのである。エイジスはこういった活動にも長けていた。

「やはりあいつは何かを企んでいる。奴の野望は俺が打ち砕かなければ…!」

エイジスは持ち前の俊足で急いでガルドリアへの帰路についた。


同じ頃、李信はグリーンバレーの国門を出て1人でグリーン王国領となったグワダタウンに来ていた。クエストである。付近でモンスターが現れるので討伐して欲しいとのことだった。そこで別のクエストを終わらせた水素、星屑、小銭と合流する予定である。

「あいつらはまだか。暇だし森にでも出てみるか。受注はしたし俺1人でもいいだろ。」

李信はグワダタウンを出て、ガルガイド王国領との国境付近の森に繰り出すが、時間帯が悪いらしく、モンスターはまだ居なかった。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.398 )

日時: 2016/10/12 19:19
名前: ああ

モンスターの気配は無いが、人間の気配を感じる。殺気のような気配が2人分であった。

「誰だ!」

李信は声を張り上げて威嚇した。すると2人の女騎士が森の茂みを掻き分けて李信の前に出た。

「グリーン王国将軍・与板城主の李信殿ですね。私はガルガイド王国第二騎士団団長 エリス・グリモワールです。」

「同じく、第二騎士団所属 レイン・ヴァントニル。」

李信にとって2人とも見覚えのある顔だった。1人は初めてこの世界に来た時に交戦し、グリーンバレー国門戦で策をもって追い詰め、1人はみさくらが殺して化けた筈の女だった。

「久々に見る不快な女の顔だな。何の用だ?まさか俺の首を取りに来たわけではあるまい。今日は氷河期さ…エイジス・リブレッシャーは一緒じゃないのか。」

李信は余裕を笑みにして顔に出して悠長に構える。

「貴方にはガルガイド王国への反逆者 リキッド・レイニーデイを匿っている容疑がかかっています。速やかに家宅捜索及び取り調べにに応じていただきたい。」

エリスが前に出て険しい表情で李信に用件を述べる。

「ぐり~んの許可は出ているのか?証拠も無いのにそんなことをしたらぐり~んも黙ったままではないだろうな。俺はグリーン王国の将軍だからな。」

「貴公こそ、戦争後に取り決められた国際条約の条文をお忘れですか?」

「ふんっ。」

エリスの問い質しを鼻で撥ね付ける。

「それは拒否という意向と受け取って宜しいのでしょうか。」

「だったらどうする?」

エリスの毅然な態度にも全く李信は動じない。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.399 )

日時: 2016/10/12 19:19
名前: ああ

「かっしー国王陛下より、貴公が拒否した場合は実力行使を許可されております。」

エリスがより険しい表情で李信に迫る。

「俺に勝てると思ってるのか?以前俺に無様に敗北した貴様が。」

李信は嘲笑するような笑みで挑発する。

「今回は私も居ます。二対一です。大人しく要求に応じて下さい。」

レインがエリスの後ろから李信に脅しをかけるように言い放つ。

「だが、断る。」

李信は一言でそう断ると、腰の斬魄刀を抜刀する。

「致し方ありません。実力行使でいかせてもらいます。レイン、いいわね。」

「承知しました団長。」

2人も騎士の剣を抜いて構える。

「蟻が1匹から2匹に増えただけで大した差は無い。少し遊んでやろう。」

李信が掌から鬼道の光を放つ。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.400 )

日時: 2016/10/12 19:20
名前: ああ

「破道の三十二 黄火閃」

左手の掌から放たれた黄色の鬼道の光がエリスに向かって伸びていく。

「防御魔法・ナイトシールド!」

エリスが魔方陣を展開させて鬼道を防ぐ。

「セイント・クロス・エンフォース!」

エリスの後ろで構えていたレインが高位の魔術を放つ。彼女に化けたみさくらが水素に使った技だった。

剣から放たれた聖なる光の十字架が李信に取り付いた。

「聖なる神の判決を下します。貴方は死刑です!」

展開された無数の光の十字剣が李信に降り注いだ。光が辺り一帯に漏れる程発せられる。

「やりましたか?」

エリスが言った途端、光は振り払われた。傷一つついていない李信が立っていた。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.401 )

日時: 2016/10/12 19:21
名前: ああ

「強固な防御能力を持つ俺には貴様らの攻撃など通じない。」

李信は無傷のまま余裕な態度を崩さない。

「極大魔法 ホーリー・サンクチュアリ!」

レインの剣先から巨大な光の結界が展開された。使用者を強化する魔法である。

「貴方の結界の恵み、私にも伝わってくるわレイン。ザ・ライトニング!」

エリスの剣先から魔方陣が展開され、無数の稲妻が発生し、李信目掛けて稲妻は数を増していく。結界は味方の能力も引き上げるようだ。

「断ち切れ 雷火」

斬魄刀が解放され、尻の貝殻のような部分からブーストの様な火と音を噴き、剣先が鉤爪状に曲がった始解が姿を現す。斬魄刀・雷火から繰り出された炎の斬撃が全ての稲妻を打ち消した。

「ライトニングボール!」

「クロス・リベレーション!」

雷を球状に固めた魔法と光の十字架がそれぞれの剣先から展開されて、放出される。

「無駄だ。」

雷火から放出された火炎が2つの攻撃を掻き消し、2人をも巻き込んだ。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.402 )

日時: 2016/10/12 19:21
名前: ああ

「クロス・ホーリーシールド!」

レインの方が2人を守れる大きさのシールドを展開して火炎を防ぐ。

「ほう。ならこれならどうだ。」

雷火の刀身が赤く染まり、剣先から火球が発せられる。

「ホーリークロス…」

「ライトニング!」

エリスとレインが互いの剣を天に向けて重ね合わせ、聖なる光と稲妻が融合する。無数の聖なる光に包まれた無数の稲妻が雷火から放たれた火球を打ち消し、李信に降り注いだ。

「今のはそこそこではあるな。」

雷火の炎で光の稲妻を振り払う。ダメージは全く無かった。

「貴様らを蟻だと思っていたが訂正しよう。蝿くらいには強い。」

李信が雷火に霊圧を込める。

「何か来る!気をつけてレイン!」

「もしかしてあれは、エイジスが話してた卍解とかいうやつじゃ…」

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.403 )

日時: 2016/10/12 19:22
名前: ああ

「卍解」

雷火が赤い炎と霊圧に包まれる。

「雷火・業炎殻」

柄の部分が大きな貝殻の様な形状の盾となり、その先端に巨大化した雷火の刀身が伸びた姿に変わる。

「それがエイジスが言ってた卍解ですね。戦闘能力が飛躍的に上昇すると言う。」

レインが変化した雷火の姿を視界に収めながら確かめる。

「そうだ。もう少し遊ばせてくれよ。」

雷火・業炎殻の鋒を前に向け、無数の火球を出現させる。

「雷炎弾!」

無数の火球が2人目掛けて飛んでいく。

「こんなもの、当たらなければ!」

水素に披露された、魔力力場を結界内に無数に展開させてその間を超高速で移動し続ける技をレインが繰り出す。エリスも魔力による加速魔法で火球の雨を回避した。

「高等歩法を俺も使えるが、今は面倒だ。」

そんな李信の頭上からレインが、背後からエリスがそれぞれ剣に聖なる光と雷を帯びさせて切り掛かる。それを李信は頭上には雷火・業炎殻を振り上げ、背後からの攻撃はミジョン・エスクードで防いだ。

「金髪、貴様も学習しないな。背後には防御を施してあるのを忘れたか?」

「ッ!」

2人は再び加速魔法で距離を取り、レインの方は瞬間移動を続けて次の攻撃を繰り出す準備をする。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.404 )

日時: 2016/10/12 19:22
名前: ああ

「蝿の様にちょこまかと…」

李信は雷火・業炎殻の鋒を地面に叩きつける。

「業炎龍牙!」

広範囲に無数の火柱が出現し、加速魔法を続ける2人に火柱が直撃する。2人は悲鳴を上げながら炎に包まれる。

更に李信は雷火業炎殻から別々の位置に居る2人に向けて火炎を放射し、薙ぎ払う。火炎放射攻撃は火柱による大ダメージを受けた2人に容赦無く覆い被さった。

火炎が止むと、両膝をついて息を切らしている2人がもがくように立ち上がろうとしている。

「何故かっしーは貴様らを派遣したんだろうな。氷河期さんなら貴様ら蝿と比べものにならないというのに。俺があまり勝ってないからと甘く見たか?俺と氷河期さんの交戦内容をよく聞いていないようだな、奴は。」

「貴様らの騎士道は 本日をもって閉鎖だ。」

李信が雷火・業炎殻を振り上げる。

「業炎龍牙・焔!」

業炎龍牙の炎を不死鳥の様な形に固めて振り下ろして放つ。2人の命数が尽きようとしていた。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.405 )

日時: 2016/10/12 19:23
名前: ああ

その時である。突如横から伸びてきた水圧砲が業炎龍牙・焔を打ち消した。

「何者だ!」

李信が水圧砲が伸びてきた方向を向くと、木々を掻き分けて黒髪を背中まで伸ばした男が目の前に現れた。

「俺はガルガイド王国の勝負尻ってんだ。今日は非番でこの辺りに松茸を取りに来てたら他所の隊ではあるが可愛い女の子2人が、変な武器を持って厨二病丸出しの格好をした変質な男に襲われてるのを見たから助けに入ったってわけだ。」

「貴方は…勝負尻殿…!」

「助けていただき、ありがとうございます…!」

エリスとレインがボロボロの体で立ち上がりながら勝負尻に礼を言う。

「いいってことよ!二次元美少女を傷つける奴は俺が許さねえ!」

勝負尻が高速流動による水の刃を右手の掌から出現させて李信に向けた。

「先に剣を抜いたのはその女達の方だ。俺は応戦したまでのこと。弱者の分際で俺に刃向かうからこうなるのだ。」

雷火の鋒を勝負尻に向けて応える。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.406 )

日時: 2016/10/12 19:23
名前: ああ

「お前みたいな変質者の都合なんて知るかよ。二次元美少女を傷つけた報い、俺が受けさせてやる!」

勝負尻が水の刃を李信に向けて伸ばそうとした時である。

「おーいちょく…直江ー!そこに居るのかー!」

「直江ー何処だー?」

戦闘で焼け野原になった森を大声で叫びながら李信を探す声が聞こえる。(勝負尻が掻き分けた木々はもっと遠くにあったということで。)

「小銭!星屑!俺は此処だ!」

李信の声に応じて小銭と星屑が駆け寄ってきた。

「直江、そいつらは?」

「これで其方は戦闘不能の雑魚2人とお前、此方は無傷全快の3人。それでもやるか?」

星屑の問いには答えず、赤くなった雷火・業炎殻の刀身を勝負尻に向けながら意思を問う。

「確かに不利だ。2人とも、無念だが此処は退こう!」

「ですがこれは任務で!」

「そうです!このまま引き退るわけには!」

踏みとどまろうとするエリスとレインに、勝負尻は巨大なシャボン玉を覆い被せた。

「命の方が大切だろ。ほら逃げるぞ!」

自らもシャボン玉の中に入り、空高く浮遊して飛び去っていった。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.407 )

日時: 2016/10/12 19:23
名前: ああ

「メガ盛り激辛バケツうどん食ってたら遅れちゃったよー。で、モンスターは見つかったの?」

水素も数分程遅れて到着し、李信が先にモンスターを倒したのかと尋ねた。

「いや、氷河期さんの上司の女騎士と、みさくらが殺して化けてた筈の女騎士が出て来た。俺が匿ってるリキッドを引き渡せとか言うから拒否ったら剣を抜きやがったからボコボコにしてやった。トドメを刺そうと思ったら勝負尻が出てきて邪魔された。3人とも逃げていった。」

これまでの経緯を簡単に説明した。

「ガルガイドの騎士と揉めちまったかー。まあしゃーない。あの国おかしくなってるからな。」

「元からおかしかっただろ。」

水素の言葉に李信が的確に突っ込んだ。

「おい、モンスターを探そうぜ。」

星屑が此処に来た本来の目的を忘れてないだろうな、と言わんばかりで行った。

「何か鳴き声が聞こえないか?」

小銭が西の方向を指差す。モンスターの角らしき物が確かに視認出来た。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.408 )

日時: 2016/10/12 19:24
名前: ああ

「出たぞ!あれがベリオ◯ス亜種だ!」

小銭が指差した方向には、赤い体と二本の角を持つ龍が此方を見据えていた。

「よし、此処は俺のスタンド エコーズで…」

星屑がスタンドを召喚する前に、水素が風圧を発生させる程の勢いでその場から消えた。風圧で砂埃が舞い、3人が目に飛んでくる異物を腕で遮る。

水素がベリオ◯ス亜種に拳を叩き込むと、血飛沫が飛び散り、原型を全く留めていない死体の肉片が無数に転がった。

「…俺らの出番ねえじゃん。」

李信があっという間のことで唖然としていた。

「お前はさっき騎士とバトルしてたろ!俺らは何しに来たんだ!」

「報酬の為だろ。あと、此処に来る途中で草食モンスターから生肉取れたから焼いて食おうぜ。」

「そうだな…。」

肩を落とす星屑を励まし、小銭は星屑に生肉を差し出した。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.409 )

日時: 2016/10/12 19:24
名前: ああ

「ガルガイドからの書状?」

「はい、お読み下さい。」

数日後、李信の屋敷にはガルガイド王国からの使者が来ていた。使者から受け取った書状を開いて目を通す。

「なになに?要約すると、リキッドの身柄引き渡しを拒み続けるならお前の領土に攻め込むぞこの野郎!ってことだな。」

暫く目を通して内容を掻い摘んでまとめて口に出した。

「今返事の書状書くからちょっと待ってろ。」

李信は筆と紙を取り出して書状を書きしたため、それを折り畳んで文箱に入れて使者に渡した。

「これが俺の返事だ。かっしーに渡せ。」

「はっ!」

使者は文箱を両手で受け取ると一瞥して屋敷を出ていった。


「早くもバレたようだな。噂って怖いねぇ。で、何て書いたんだ?」

部屋のクローゼットに隠れていたリキッドが使者が帰ったのを見計らって部屋に出てきた。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.410 )

日時: 2016/10/12 19:25
名前: ああ

「要約すると、やれるもんならやってみろバーカ」って書いたんだよ。

この書状は後にこの世界で「直江状」と呼ばれるようになったとかならなかったとか。

「お前すぐに城に帰らなくていいのか?」

「キモ男さんとポルクさんが居るから大丈夫っしょ。」

リキッドが心配そうに尋ねるも、李信は全く危機感が無いようだった。

「それに俺らにはやることがあるだろ?」

「やること?」

「敵が大軍を与板城に派遣した隙にガルドリアに殴り込みに行くんだよ。」

李信の考えを聞いて、リキッドはいよいよかと言わんばかり強く首を縦に振って頷いた。

ガルガイド王国 ガルドリア城 王の間

グリーンバレーの李信の屋敷から戻って来た使者からかっしーに書状が手渡された。

「この返事、人を馬鹿にしてるのか!」

「何が書かれているんですか?」

書状を読んで憤怒の形相を露わにしたかっしーが右手を薙ぎ払うように神チーに書状を手渡した。かっしーが強く握った為に端の部分が皺くちゃになっている。神チーは書状を受け取り音読を始めた。

「リキッドの身柄引き渡しは拒否する。雑魚騎士2人を派遣したところで脅しになるとでも思っているのだろうか。実に滑稽である。
そもそも、女騎士は戦争後に4か国で締結した国際条約を持ち出してきたが、先に条約を破ったのは交易船の関税を定められた割合以上に徴収した貴国の方であり、何故私ばかりが咎めを受けなければならないのか。
リキッドを義に悖る反逆者と誹るが、条約を真っ先に反故にした貴国の方こそ義に悖っているのではないだろうか。
そもそも反乱分子を出す程の悪政を敷いている貴国の政に大いに問題があると推察する。我が城将であるポルク・ロッドの配下の視察やリキッド・レイニーデイの証言によれば、貴国は交易関税を不正に徴収するに飽き足らず、民に不当な重税をかけ、無法の徒を裁きもせずにのさばらせていると言う。
私が身命を賭し、策や調略を巡らせて貴国の敵を排除し、王権を確立させたというのにこれでは貴国に協力した意味を考え直さざるを得ない。
更に悪徳商人を宰相に任じて圧政に拍車をかけているとの情報も掴んでいる。
私は不義なる貴国に屈することは無い。かくなる上は弓矢の儀に及んでも致し方無し。
堂々とお相手する故、何万でも我が領内に派遣してこられるが宜しい。」

長い文が綴られている書状を読み終えて神チーが怒りの余り、書状を丸めてから破り捨てた。

「神チー、直ちにありったけの軍を与板城に派遣しろ。奴の地盤を徹底的に潰すのだ!」

「はっ!して、奴自身は如何致しましょう?」

「今はまだ能力者を動かすことは出来ない!あの目的があるからな!」

「畏まりました。」

神チーはかっしーの命により、軍の編成に取り掛かった。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.411 )

日時: 2016/10/12 19:25
名前: ああ

4日後、ガルガイド王国の将軍・コアラ少年を総大将とした30000のガルガイド王国軍が、グリーン王国の李信の本拠地・与板城を目指して進軍を開始した。

国力が決して高いとは言えないこの国が何故3万もの動員をやってのけたか、それは李信を潰すという意志を固くしたかっしーと神チーにより、国内の領民を強制的に徴兵したからである。その為、軍の士気は低かった。

この報告は翌日に与板城にもたらされた。

グリーン王国 李信領 与板城

「報告!昨日、コアラ少年を総大将とするガルガイド王国軍がこの与板に向かって進軍を開始!その数3万!」

「遂に来たか。ご苦労だった。下がって良い。」

「はっ!」

斥候の報告を動じずに腕を組みながら受けていたのは李信から城と領土統治を任されたキモ男である。

「いよいよ来ましたねキモ男さん。」

隣に居た城将のポルク・ロッドも全く動揺はしていない。

「この日が来ることは予想してましたからな。既に敵を迎える準備は出来ています。何万こようと我らの敵ではありません。」

キモ男が自信に満ちた顔で城下を見下ろしながら答えた。

「敵は3万、我らは3000。腕が鳴りますね。」

ポルク・ロッドも窓に手をかけて自信に満ちた笑みで返した。

この世界の歴史に残る合戦の幕が開けようとしていた。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.412 )

日時: 2016/10/12 19:26
名前: ああ

ガルガイド王国軍李信領侵攻の報はグリーンバレーに居る李信にももたらされていた。

「遂に来たか。キモ男さんとポルクさんに任せてある。2人に宜しく伝えてくれ。」

李信は斥候にそう告げると、斥候は一礼して屋敷を退出していった。

「クワッタの戦いで披露したお前の軍略が無くて大丈夫なのかよ?」

李信にそう問いをかけたのはオルトロスだった。

「あの2人を甘く見ない方がいい。ガルガイドのゴミ共に当てるにはもったいないくらいだ。何故俺が2人に城を任せてるか、それがこれから分かる。それに、この時の為に手は打ってある。」

口には出さなかったが、それは大将軍セールから新式銃を500丁も購入したことであった。銃の概念が無いこの世界においては戦で必ず絶大な威力を発揮するに違いなかった。

「さて、俺達も支度をするぞ。」

李信がソファーから立ち上がった。

「いよいよ行くのか?」

オルトロスもティーカップをテーブルに置いて立ち上がる。リキッドや奇人もそれに倣う。

「この時を待っていた。ガルガイドのほぼ全軍が俺の城に差し向けられた。今から能力者のみでガルドリア城に強襲をかけに向かうぞ。」

与板城のキモ男とポルク、グリーンバレーの李信と能力者達。それぞれの戦いが今まさに始まろうとしていた。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.413 )

日時: 2016/10/12 19:26
名前: ああ

「集まったか。」

李信の屋敷の庭に李信の仲間となった者、ガルガイド王国に反感を持つ者、成り行きで合流した者達が集まった。

「これより我ら能力者のみでガルガイド王国王都・ガルドリア城へ強襲をかける!目指すは国王・かっしーの首だ!」

それぞれの思いや願いを持ち、この世界の秩序を乱す悪を打ち砕くべく、9人の男が立ち上がった。

李信、星屑、小銭、マロン、Wあ、赤牡丹、リキッド、奇人、オルトロス。

「誰1人欠けることなく生きて帰ろうぜ!」

オルトロスが握り締めた拳を前に突き出すと、それに他の8人も倣い、円を組んで互い互いの生還を誓う。

「あれ?水素は居ないの?」

「この国の奥地でアルバ◯リオン、ア◯ツマガツチ、ウカム◯ルム、アカ◯トルム、ラージャ◯、ラオ◯ャンロン、シャガル◯ガラが一斉に出現したらしくてな。ぐり~んの要請でそっちに行った。多分後から来るだろう。」

小銭の疑問に対して、先に水素から連絡を受けていた李信がそう説明した。

「では、行くぞ。」

9人の男が、絶対に負けられない戦いに身を投じようとしていた。一行が王都内を縦に並んで進んでいる様子を見た住民達はその圧巻で息を飲む程であった。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.414 )

日時: 2016/10/12 19:27
名前: ああ

翌々日、9人はガルドリアに到着していた。与板征伐にほぼ全軍を差し向けていたので、王都内の警備兵すら殆ど見当たらない。愚かとしか言いようがない判断であると誰もが感じた。

ガルドリア城に入ろうとすると、100人程の警備兵がガルドリア城を取り囲んでいたが、9人がそれぞれの力で殲滅した。

「中に入るぞ。かっしーを討つ!」

一行はガルドリア城に入った。すると、姿は見えないがエコーがかかったかっしーの声が聞こえ始めた。

「ようこそガルドリア城へ!諸君が来ることは予想がついてたよ!だがもう遅い!俺の世界征服はもはや誰にも止められない!さあ起動せよ!天空の城ガルドリアよ!」

かっしーの口上が終わると、9人それぞれが、城が宙に浮いたのが感じられた。

「おいおいこれマジで浮いてんのか?何だよこのぶっ飛んだ展開!?」

小銭が地震のように揺れながら天空に浮遊するので驚きを隠さなかった。

「天空の城ガルドリアがついに完成した!この城は民や能力者の生命エネルギーを喰らい成長し続ける!今まで民から重税を徴収していたのは莫大な量の古代文の解読に金がかかり、この城を動かす最初の動力源が高価で取引される宝石類だったからだ!この城は無敵!絶対要塞だ!この城から俺に逆らう奴を一人残らず消して回る!この城が目覚めることで俺も力に目覚めたのだ!」

かっしーがこれでもかという程ご都合主義展開を口上披露すると、ガルドリア城の奥へと続く壁にある隠し扉が開いた。

「さて、諸君は私の世界征服の邪魔だ。此処で全員死んでもらう!奥に行けば俺の配下達が待ち受けているぞ!俺を止めたければ配下達を倒して此処まで来るんだな!最上階で待ってるぞ!」

かっしーの長い口説が終わった。

「…だとよ。急過ぎてわけわかんねーけど行くしかなさそうだぜ。」

オルトロスが呆れた口調で言う。

「能力バトル物にありがちな展開だよなこれ。しかも前触れもなくこんな展開ってこれは駄作アニメかよ。脈絡無いしな。」

星屑は両手を外側に広げて首を横に振る。

「とにかく行くぞ。かっしーを止めなきゃいけないからねぇ。」

リキッドがそう言いながら開いた扉に向かって歩き出すと、他の8人も歩き出した。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.415 )

日時: 2016/10/12 19:27
名前: ああ

一行は隠し扉を通って最初の部屋に出た。強固なシェルターの壁に囲まれた200m四方で高さ50mの巨大な部屋である。しかしその向こうをよく見ると、扉も無い2m四方の出入り口の存在を確認出来る。

「良く参りましたね。グリーン王国の能力者の方々そしてガルガイド王国の裏切り者の方々。新顔も居るようですが。」

一行を呼びかけたのはこの部屋で一行を待ち構えていたエリスら、エイジスの取り巻きである元々この世界の住民だった女達4人だった。

「お前らは神チーへの復讐代行を妨害した女共+αじゃねえか!」

エリスの声に応じたのは、神チーへの復讐代行を妨害された際に交戦に及んだことのある奇人だった。

「貴方はあの時の改造人間…!それにやはり貴方も居るようですね、李信!」

最もエリスと因縁が深いのは李信である。既に3度も会っており2度の交戦に及んでいる。

「また会ったな女騎士。悪虐非道を極めるこの国はもうすぐ俺達9人の正義の勇者によって滅ぼされる。だが安心しろ。慈悲を与えてやる。
貴様らが亡国の徒と成り果てる前に閻魔大王の下へ導いてやる。誇り高い騎士として最期を迎えるがいい。」

李信が女の呼びかけに応じて言い放ち、前に出る。しかしそんな李信より前に出て左手で制止する者があった。

「待て直江。此処は俺の出番だ。復讐代行失敗の清算は俺が行う!お前には、最も倒さなきゃならない相手が居る筈だ!必ずそいつはこの城で待ち構えている!」

進み出たのは奇人だった。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.416 )

日時: 2016/10/12 19:28
名前: ああ

「奇人、お前…」

李信は奇人の目を直視する。奇人は小さく頷く。

「お前らは先に行け!そして絶対かっしーの息の根を止めるんだ!此処は俺に任せて先に行け!」

奇人が笑顔で右手の親指を立てて他の8人に先に行けという強い思いを伝える。

「奇人、後で絶対また会おう!まだまだ世の中に悪はいる!俺達の仕事は続くんだ!」

リキッドが再開を約束しようと言葉をかける。

「俺を誰だと思ってんだ。鬼サイボーグだぞ?また会うなんて当たり前だ!早く行け!」

奇人の強い意志に促され、8人は女達の横を走って通り抜けて次なる部屋への道に続く出入り口へと急いだ。

「行かせません!ザ・ライトニング!」

「クロス・リベレーション!」

エリスが8人に雷属性魔法を、レインが光属性魔法を後ろから放つが、奇人が素早く回って腕を薙ぎ払い攻撃を打ち消した。

「何処見てんだよ。お前らの相手はこの俺だ!」

奇人が両腕を前面に突き出し、火炎を放出する。部屋全体が焼却砲による炎で包まれた。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.417 )

日時: 2016/10/12 19:28
名前: ああ

最初の部屋の敵を奇人に任せた8人は通路を暫く走ると、最初の部屋と同じような場所に辿り着いた。しかし幅、面積は先程の部屋の数倍はあった。

「直江さん、いや我が王国の仇敵李信!待っていたぞこの時を!俺はお前の野望を必ず打ち砕く!そして王国を守る!」

2つ目の部屋で待ち構えていたのはエイジス・リブレッシャーこと氷河期だった。

「黙れ、悪に与する不義の徒め。俺がこの手で今度こそ成敗してやる!」

李信は腰に差している刀を抜き放ち、その確固たる意志を吐き出す。

「直江、俺もやる。こいつには仮があるからねぇ。お前らは先に行ってくれ。」

リキッドも李信に続いてエイジスの前に進み出る。他の6人に先に行けと告げる。

「任せたぜ2人とも!よし、先を急ぐぞ!」

オルトロスがリキッドの声に応え、6人が先を急いで部屋の外へと走り出した。

「直江、リキッド。お前らはこの国にあくまでも牙を剥くんだな。2人とも騎士にあるまじき愚かな行為だ。前の様に今度も負けるのはお前らだ。」

エイジスが剣を抜いて上段に構える。以前に勝った相手に対しても容赦は無い。

「貴様が振り翳すその騎士道が人民を苦しめているのだ。国とは、国の為のものではなく人民の為のものでなくてはならない。国の為の国など害悪そのもの。世界の平和を乱す根源だ。それを排除することこそ俺の正義!」

李信が霊圧を全身から垂れ流しながらエイジスを討つことを宣言する。

「あのねぇ、まだよく分かってないみたいなんだけど…お前さん、俺が騎士だとまだ思ってる?俺は騎士でも無ければガルガイドの国民でもない。
俺は 復讐屋 だからねぇ。」

リキッドがエイジスの言葉に対してサングラスを外しながらそう返答した。3人の視線が交差する地点で火花が飛び散りそうな勢いだった。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.418 )

日時: 2016/10/12 19:28
名前: ああ

「我は鋼なり、鋼故に怯まず、鋼故に惑わず、一度敵に逢うては一切合切の躊躇無く。これを滅ぼす凶器なり。」

「鉄血転化!」

エイジスの顔面や全身に赤い紋様が浮かび上がり、瞳や頭髪も赤く染まった。身体能力を上昇させるエイジスの奥義である。

「浪漫砲台 パンプキン!」

リキッドが銃の帝具を呼び出して構える。神チー暗殺未遂の際に用いた帝具である。

「鎖せ 黒翼大魔(ムルシエラゴ)」

李信は斬魄刀の力を解放し、頭部の半分を覆う仮面、目の下から伸びる緑色の紋様、背中には蝙蝠の翼という出で立ちになる。

「行くぞ氷河期!黒虚閃(セロ・オスキュラス)!」

李信の右手の人差し指から緑色がかった黒いビームがエイジスに向けて放出される。エイジスはそれを宙に飛び跳ねて回避した。

「俺も忘れんなよ!パンプキン発射!」

パンプキンの銃口から橙色のビームが発射され宙に居るエイジスを呑み込もうとするが、エイジスは剣でそれを斬り裂いた。

「威力が足りない!ピンチが足りないか!」

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.419 )

日時: 2016/10/12 19:29
名前: ああ

「冷殺剣」

剣を冷気と魔力で強化したエイジスがそれを下段に構えて急降下し、リキッド目掛けて振り下ろす。

「流石にその鉄血転化はスピードも上昇させるようだな。だが俺にも響転(ソニード)がある。」

響転で瞬間移動(本当は高等歩法だが)でリキッドを庇うように前に出てエイジスの冷殺剣を緑色の光の刃「フルゴール」で受け止めた。

「エイジストラッシュ」

高速剣撃を繰り出すエイジスの攻撃を見切り、光の刃・フルゴールで受け止め続けるが最後の一撃が胸部を捉えてしまう。が、傷は殆どついていなかった。服の胸の部分がエイジスの剣によってはだけた。首元の虚(ホロウ)の穴の真下の胸元には、崩玉が埋め込まれている。

「破面(アランカル)の持つ特性の1つ、鋼皮(イエロ)だ。この穴は虚(ホロウ)特有のものだ。」

2度目なので驚きもしないエイジスにそう説明すると、暫しの鍔迫り合いの後にフルゴールで斬り上げた。エイジスが後ろに飛んで距離を取る。

「ルス・デ・ラ・ルナ」

距離を取ったエイジスにフルゴールを勢いをつけて投げつける。エイジスはギリギリのところでそれを剣で弾く。

「葬る!」

一斬必殺の帝具・村雨を持ったリキッドが宙から勢いをつけてエイジスの背後から振り下ろす。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.420 )

日時: 2016/10/12 19:29
名前: ああ

エイジスは腰の後ろに差している二本の小刀の内の一本を抜いて逆手持ちでリキッドの村雨に合わせて防いだ。

「俺に接近戦で勝てるとでも?リキッド。」

エイジスが膂力でリキッドの村雨を跳ね上げる。リキッドは一旦僅かに距離を取る。

「直江、前後から行くぞ!」

「了解。」

リキッドが後ろから村雨で、李信が前からフルゴールで、それぞれエイジスを挟み撃つように目にも止まらぬ素早い連続の突き攻撃を繰り出す。

「挟み撃ちにすれば接近戦でも上回れると?甘いぞ直江、リキッド!」

右手の冷殺剣で李信のフルゴールを、左手の小刀でリキッドの村雨を的確に受けていく。高速剣戟が暫く繰り広げられ、李信の頬に冷殺剣による浅い傷がつく。

「俺には超速再生がある。」

見る見るうちに傷が塞がり、再度フルゴールによる連続突きを繰り出す。リキッドもそれに呼応して村雨による連続突きを仕掛ける。

「無駄だ!」

前後からの攻撃を剣で防ぎ続ける。高速剣戟の中で李信がリキッドに目配せをした。

「黒虚閃(セロ・オスキュラス)」

李信の指から黒い虚閃が放たれた瞬間、リキッドは後ろに跳び下がって距離を取り、宙へと飛び上がる。黒虚閃はエイジスのみを呑み込んだ。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.421 )

日時: 2016/10/12 19:30
名前: ああ

「クソッ…!」

黒虚閃をまともに受けたエイジスの全身は焼け爛れたような痕が全身に広がっていた。両膝と両手を床につけてもがく様に立ち上がる。

「葬る!」

跳び上がったリキッドの村雨の鋭利な刃が仄かな光を受けて燦めく。その名の如く妖刀に相応しい光を受け、エイジスの背中を捉えた。

「調子に乗るなよ、忠誠心の欠片も無い蝙蝠共が。」

「フェンリル」

エイジスを中心に魔力の渦が巻き起こり、宙に居るリキッドを吹き飛ばした。

「もうちょっとだったのにねぇ…!」

「ワオオオオオオン!」

狼の姿になったエイジスの咆哮が、音圧と冷気を呼び醒まし、部屋全体が氷に覆われる。床や壁の氷からリキッドや李信目掛けて尖った鋭利な氷の塊が無数に発生し接近してくる。

「こんなもの!」

リキッドは村雨で自分を突き刺さんと迫る氷を高速で全て斬って捨てる。

「俺の響転(ソニード)には追いつけはしない。」

李信は無数の氷の塊をソニードで回避し続けながら、フルゴールを握り締めて咆哮を続けるエイジス目掛けて振り下ろす。

「ワオオオオオオオオオン!!」

エイジスは口を開き、冷気の魔力を球状に溜め始める。至近距離での冷気魔法を放つつもりだった。

「させるか。黒虚閃(セロ・オスキュラス)」

水色の眩い光を放つ冷気波動と黒虚閃が至近距離でぶつかり合い、魔力と霊圧が混じり合う大爆発が渦を巻く様に巻き起こった。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.422 )

日時: 2016/10/12 19:30
名前: ああ

「今の爆発音は…!」

「直江とリキッドが氷河期と派手にやってるみてえだ。俺達も先を急ごうぜ!」

「此処から先は通せないな。」

次の間で、マロンとオルトロスの話に介入してくる声があった。

「僕はLパッチ。この国の大臣の1人さ。僕はかっしー様に選んでいただいた特別な存在だ!君達如き僕の敵ではない!」

奇妙な導師服を纏った男はLパッチと名乗り、一行の行く手を阻まんと前に出た。

「此処は俺が行くぜ。」

マロンがLパッチに相対して睨み据える。

「俺も残りますよ。こいつはヤバそうだ。1人で戦えそうには見えない。俺とマロンさんに任せて4人は進んで下さい。」

Wあもマロンの隣に進み出て、他の4人に前進を促した。

「分かった。死ぬんじゃねえぞ!」

オルトロスがそう言い残して走り出した。星屑、小銭、赤牡丹もそれに続いた。

「逃がさないって言ってんだろ!」

先を急ぐ4人に黒い念動力の玉の様なものを飛ばすが、Wあのクロスフレイムとマロンのバララークサイカにに阻まれる。

「追わせませんよ。お前は俺達が引き受けたんですからね!」

「さっさと片付けて後を追わないといけないからな!」

「チッ!じゃあ僕もお前らをさっさと片付けて先に行った奴らを始末しに行かないとね!」

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.423 )

日時: 2016/10/12 19:31
名前: ああ

「焼却!」

最終の部屋では、鬼サイボーグこと奇人がエイジスの取り巻きの女4人に対して1人で戦っていた。奇人の焼却砲はレインの魔法によって受け止められた。

「今まで隠していましたが、本気を出させてもらいます…!」

エルフの耳が剥き出しになり、握っている剣に新たな力が宿る。

「これは元々霊気を編んだ剣。そして、私の本来の魔法は光属性魔法じゃない。」

剣に反応して火・風・水・木のエネルギーがレインに集まる。

「私は自然に愛されるエルフの一族。貴方には悪いですが、王国の為に消えていただきます!」

「私もエイジスの為に本気を出す!」

リーナが鬼の角を頭から生やし、等身以上もある巨大な大剣を作り出した。剣には炎熱系と神聖系の魔力が纏われている。

咲も闇属性の魔力を全身に纏う。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.424 )

日時: 2016/10/12 19:31
名前: ああ

咲が高速で奇人の背後に移動し、闇の魔力を纏った暗器を投げつける。

「焼却!」

奇人の腕から発せられた焼却砲が暗器を溶かし尽くす。咲自身は高速で奇人の眼前に現れ、闇属性魔法を至近距離で叩き込まんと、新たな暗器を胸目掛けて突き出す。

「雷光眼!」

奇人の目から激しい光が部屋全体に発せられた。彼女達は見事に視界を遮られてしまう。

「マシンガンブロー!」

硬い機械の腕で高速ラッシュを咲に叩き込む。咲は闇属性の魔力力場を正面に展開してダメージを軽減するが、腹に受けた一撃が重く吐血してしまう。

「リカバリーヒール!」

リーナが唱えた回復魔法が咲のダメージを回復させた。

「ライトニングスラッシュ!」

気配を消したエリスが剣に稲妻を纏わせて奇人の頭上から振り下ろす。

「くっ…!」

奇人の左腕が肩から切断されてしまった。

「アマデウス!」

「ウィンドミル!」

追い討ちをかけるように、リーナが発した神聖系魔術の広範囲攻撃と、レインが放った風属性魔法が奇人を襲った。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.425 )

日時: 2016/10/12 19:31
名前: ああ

立て続けに攻撃を受けた奇人の体は錆と損傷でボロボロになっていた。

「終わりね。早くこいつやっつけてエイジスの加勢に行かなきゃだし。」

リーナが神聖系魔術の発動の為に大剣の鋒に魔力を溜め始める。

「今こそエスパニョ~ル博士が開発してくれたパーツを使う時だな。」

奇人が胸を開いてエネルギーコアと右腕を直結させると、凄まじいエネルギーが発生する。更に腕や肩、内部のパーツを取り出してエスパニョ~ルが開発した新パーツに一新された。

「ハァァァァァ!!」

奇人が両腕を床に叩きつけると、全身に静電気が纏われる。床はその衝撃で大きく焼け爛れた。

次の瞬間、奇人の姿が4人の視界から消えた。奇人はリーナの前に現れた。

「ハイボルテージフィスト!」

両腕の拳をリーナに叩き込み、エネルギーによる爆炎を放出する。リーナは殴打と爆炎の衝撃で吹き飛ばされた。

「アスタロト!」

闇属性魔術により悪魔を召喚し、悪魔が奇人に闇の波動を放つ。

「デスライトニング!」

エリスが脇から威力の上昇した紫と青がかった稲妻を剣先から無数に繰り出す。

「焼却!」

奇人が両腕を2人に向け、エネルギーコアにより威力の増した焼却砲を発射した。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.426 )

日時: 2016/10/12 19:32
名前: ああ

奇人の焼却砲と2人の魔法の衝突が部屋全体を巻き込む爆発を起こす。

「ハァァァァァアアアアア!!」

鬼の力を行使するリーナが爆発を掻い潜って大剣を鉄球に変化させて奇人に投げつける。

「ロケットパンチ!」

奇人のサイボーグの右腕が高速で伸び、鉄球とぶつかり合い室内に金属音が響く。鉄球が奇人のロケットパンチを押しのけて奇人の右腕を砕く。

此処だとばかりにリーナは鉄球を大剣に変化させて神聖系と炎熱系の魔力を纏わせて、凄まじい膂力で奇人目掛けて連続で上段の構えから下段の構えの斬撃を繰り出す。

奇人はジェット噴射で飛び上がる瞬間、左足の膝から下を全てリーナが薙ぎ払った大剣で切断されてしまう。

「暗黒魔導砲!」

「デスライトニング!」

「ダストデビル!」

宙に居る奇人目掛けて3人が魔法による遠距離攻撃を仕掛ける。咲くらは闇属性の波動が、エリスからは無数の稲妻が、レインからは旋風を起こす魔法である。

「ロケットスタンプ!」

奇人がジェット噴射による勢いを利用した踵落としをリーナに繰り出し、3人の魔法は不発に終わる。リーナは大剣で踵落としを防ごうとするが、大剣は砕かれリーナの頭部に強烈な踵落としがヒットした。

「アガッ…」

短い悲鳴を上げ、リーナはその場に前のめりになって倒れる。だが奇人の右足にも亀裂が入り、破壊されてしまった。

「まだ1人しか仕留められてないというのに…!」

その隙を残った3人が逃す筈が無い。フルパワーの魔法を繰り出すべく、それぞれが魔力を溜め始めた。奇人は己の最期を悟った。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.427 )

日時: 2016/10/12 19:33
名前: ああ

「済まないリキッド。もう一度2人で復讐屋をやる約束、生きて帰る約束、最早果たせない。済まないエスパニョ~ル博士。長年の貴方の努力を無駄にしてしまった。済まないみんな。せめてみんなは生きてくれ。」

奇人の目には今まで関わってきた者達の顔が映っているようだった。復讐屋の相棒のリキッド、自分の体を改造し強化してくれたエスパニョ~ル、そして共にこの城に乗り込んだ7人の男達。

「こうなったら最後の手段だ。俺はただでは死なん!せめてお前らを道連れにしてやるぞ!」

奇人が自らの胸のパーツを取り外して打ち捨て、中にある自爆装置を起動した。

「あの機械男、一体何を!?」

リーナが奇人の奥の手を察知するが、遅かった。奇人のコアが青白く光り輝く。漏れた光が部屋全体を満たし、3人の女の視界を潰す。

「じゃあな、みんな…。」

強固なシェルターの壁が砕け散る程の大爆発が発生した。凄まじい威力の爆発は、咄嗟に防御魔法を展開した3人のそれを一瞬で突き破って巻き込んだ。

それ以降、この部屋から一切の音や声を発する存在は無かった。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.428 )

日時: 2016/10/12 19:33
名前: ああ

「バララークサイカ!」

「10万ボルト!」

マロンの剣から青い稲妻が、Wあの全身から黄色い電撃が放出され、二方向からLパッチに迫る。

「僕の超能力の前ではそんな攻撃は無意味だよ!それと、僕をあまり怒らせない方がいいよ?君達が僕を攻撃したり、闘いが長引く程僕のストレスのボルテージが上がっていくからね!」

Lパッチは両手をそれぞれの攻撃の方へ翳し、念動力で無効化した。Lパッチのボルテージは既に50%にまで達していた。

「超能力には超能力だ!サイコキネシス!」

Wあが超能力による念動でLパッチの体を操ろうとするも、Lパッチにすぐに無効化された。

「僕はさぁ、弱い癖にゴキブリみたいにしつこい奴が大嫌いなんだよ!」

Lパッチのボルテージが78%にまで上昇する。Lパッチの念力がWあとマロンを吹き飛ばし、2人は部屋の壁に体を叩きつけられた。

「こんなダメージが何なんだ?自己再生!」

Wあの体のダメージが瞬時に回復する。

「こうなったら魔装を使うぜ!魔装・バアル!」

白いルフがマロンを取り巻き、ジンであるバアルを彷彿とさせる魔装がマロンの身を包んだ。

「極大魔法・バララークインケラードサイカ!」

「ブラストバーン!」

マロンの剣先からシェルターを破壊する威力の稲妻が、Wあが床を叩きつけた地点から発生した噴炎がLパッチに迫り来る。

「いい加減ウザいんだよ!」

Lパッチが超能力によるバリアを展開するがあっさり破壊され、巨大な稲妻と炎による攻撃が爆発を起こしながらLパッチを押し包んだ。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.429 )

日時: 2016/10/12 19:34
名前: ああ

Lパッチの怒りのボルテージが100%に達した。するとLパッチを中心に周囲を念動力による虹色のオーラが取り囲み、Lパッチは髪が逆立ち、瞳が赤へと変色した。

「てめえら、この僕を怒らせたな!」

念動力の塊がまずWあを襲う。Wあの体は念動力の塊に押し出され、その衝撃で壁に叩きつけられた。その衝撃でシェルターの壁に亀裂が入った。Wあの肋骨が2~3本ほど折られ、肺に肋骨が刺さってしまいた。

「グハァッ!」

あまりの痛みにWあが短く鋭い悲鳴を上げる。超念動力の波動はWあにトドメを刺す為に再び放出された。

「魔装・ヴァレフォール!」

赤い宝石の金の首飾りに宿るジンの力を魔装し、三角耳や尻尾を持つ姿に変化したマロンがヴァレフォールの能力によりLパッチの超能力の波動の動きを止めた。

「凄まじい念動力だ!Wあさん、早く自己再生を!」

「いつまでもつかな?オラ死ねぇ!」

マロンがジンの力でLパッチの攻撃を止めているものの、長くはもたないらしく、Wあに即座の回復を促す。

「回復の薬!」

Wあは異空間からスプレー状の回復の薬を取り出して自分にかけると、折れていた骨が元通りになり傷も塞がった。

「俺も使わせてもらいます。本気モードってやつをね!」

Wあは懐からキーストーンを取り出して上に掲げた。

「我が心に応えよキーストーン!進化を超えろ メガシンカ!」

キーストーンにWあの腕に装着されているメガストーンが反応し、眩い光が体を包む。

「メガWあ、爆誕!」

背中に龍の翼を生やし、頭には鬼の様な白い角を生やし、全身は赤と青のラインが様々な方向に張り巡らされたWあが姿を現した。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.430 )

日時: 2016/10/12 19:34
名前: ああ

マロンのヴァレフォールによる能力が押し切られ、マロンは念動力の波動を食らってしまう。

「ガリョウテンセイ」

Wあが緑色の光を纏い、部屋のシェルターの天井を突き破ってLパッチ目掛けて急降下する。

「はぁぁぁ!」

念動力でそれを受け止めようと図る。Wあの動きがLパッチを目前にして緑色の光を纏ったまま止まる。

「ヴァレフォール!」

マロンがヴァレフォールの力でLパッチの念動力を停止させ、WあのガリョウテンセイがLパッチに炸裂した。

「ぐっはぁぁぁ!!!」

腹部にガリョウテンセイの突撃を受けたLパッチの体が壁に叩きつけられる。

「破壊光線!」

Wあの掌から破壊光線が放出された。Lパッチは血反吐を吐きながら無言でそれを念動力で受け止めて打ち消す。Lパッチの超能力でWあとマロンの体が宙に浮かび上がり、2人の体が吸い寄せられるようにぶつかり合う。

「フハハハハハハ僕がお前如きの攻撃でやられるわけないだろう!お前らは僕のなすがままだ!」

2人の体はそれぞれ壁や床に亀裂が入る程の威力の超能力により連続で叩きつけられる。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.431 )

日時: 2016/10/12 19:35
名前: ああ

連続でなされるがままに壁や床に叩きつけられたWあとマロンは顔が腫れ上がり、全身から血を流していた。

「これなーんだ?」

Lパッチが懐から二つのナイフを取り出しながら歪んだ笑みを浮かべる。

「このナイフでお前らの心臓をグサッといってやる!僕に刃向かったことをあの世で喰い続けろ!」

超能力でナイフを直線状に2人に向けて射出した。

「守る」

Wあは眼前にシールドのような技を展開して何とか防ぎきった。マロンもヴァレフォールの力で射出されたナイフを停止させた。

「いい加減、僕のあの世への道案内に従えよ!」

マロンのブァレフォールによる停止能力を突き破って、念動力を纏ったLパッチが拳を握り締めながらマロンに向かってくる。

「ブァレフォールの力が効いてない!」

Lパッチの拳がマロンに炸裂する。マロンは吐血しながら吹っ飛ばされ、更に追いついたLパッチのラッシュ攻撃を受ける。

「フォカロル…!」

マロンはラッシュ攻撃を受けながら、右手首の銀の金属器から新たなジンを呼び出し魔装した。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.432 )

日時: 2016/10/12 19:36
名前: ああ

伸びた髪や両手足が羽のようになり、上半身に羽衣を纏う。マロンはフォカロルの力により自身に対して風を発生させてLパッチのラッシュ攻撃から距離を取り逃れた。

「電磁波」

Lパッチの意識がマロンに集中している隙にWあが電磁波を放つ。Lパッチの全身を静電気が駆け巡るようになる。

「体が…痺れて…念動力が…」

Lパッチは からだがしびれて うごけない !

「どくどく」

Wあが、重複出来ない筈の状態異常技をかける。

「てめえ、チート使ってんじゃねえ!反則だ!切断してやる!」

Lパッチは どくのダメージを うけている !

「現実見ろよ。現実じゃゲームみたいに切断出来ねえよ。おにび」

Lパッチは やけどのダメージを うけた!

「あやしいひかり」

Lパッチは こんらんした!

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.433 )

日時: 2016/10/12 19:36
名前: ああ

Lパッチは わけもわからず じぶんをこうげきした!

「極大魔法・バララークインケラードサイカ!」

バアルを魔装したマロンが追い討ちをかけるように極大魔法による雷を見舞う。混乱しているLパッチは全く対処出来ずに雷を浴びた。Lパッチの体は服が破け、雷による火傷痕が覆い最早虫の息だった。

「このこだわりメガネをかけてからの一撃を受けてみるがいい!」

Wあはこだわりメガネを取り出してかける。

「りゅうせいぐん!!」

異空間から無数の隕石が降り注ぎ、Lパッチの体を無惨に押し潰した。念動力は感じられなくなり、2人はそれによりLパッチの死亡を確認した。

「あの世でしっかり覚えておけ、Wあのりゅうせいぐんはつよい。」

隕石に埋もれたLパッチにWあはそう吐き捨てた。

マロンは魔装を解き、元の姿に戻る。

「何とか勝ちましたね。」

「マロンさん、これ回復の薬。使っといて。」

Wあは二つ分の回復の薬を取り出して一つをマロンに手渡した。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.434 )

日時: 2016/10/12 19:37
名前: ああ

赤牡丹、星屑、小銭、オルトロスの4人はかっしーの居る最奥部を目指して通路を走っていると、またしても新たな部屋に出た。部屋のつくりは今までと同じである。

「タラララッタラー!ぼく神チー!かっしー様の邪魔をしようとする悪い奴らをやっつけるんだ!」

四次元ポケットを腹部に装着している神チーが待ち構えていた。

「変な奴が出てきたな…。こいつが相国の神チーか。」

星屑が神チーの四次元ポケットに視線を移しながら言った。

「このふざけた野郎は俺がやる。」

そう言ったのは小銭だった。

「俺もやるぜ。相国相手に1人はやべえっしょ。」

続いて買って出たのは星屑だった。

「2人とも任せたぞ。俺とオルトロスは先に行く!」

「また後でな!」

赤牡丹とオルトロスは小銭と星屑にその場を任せて先を急いで走り去っていった。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.435 )

日時: 2016/10/12 19:37
名前: ああ

「クラスカード・アーチャー」

小銭がアーチャーのクラスカードを使用してギルガメッシュの姿になる。

「王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)」

小銭の宝物庫が無数に展開され、宝剣や槍の数々が姿を現す。小銭が右腕を前に振り下ろしたのを合図に宝剣や槍が次々に射出された。

「ひらりマントー!」

神チーが四次元ポケットからひらりマントを取り出してそれを翳すだけで射出された武器の軌道を目の前でズラして回避する。

「ザ・ワールド!」

星屑のスタンド ザ・ワールドの時間停止能力が発動する。

「死ねぇ!無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!無駄ァ!」

しかしザ・ワールドのラッシュ攻撃は全く神チーに効いていなかった。そうしている内に時間停止が解除される。

「予め体を硬化する錠剤を大量に服用したからねぇ。そんな猫の手で繰り出す様なパンチは効かないよ。」

「目醒めよ乖離剣エアよ!」

小銭が3つの円筒を持つ特殊な形状をした黄金に輝く剣を宝物庫から取り出す。

「天地乖離す開闢の星(エヌマエリシュ)!」

3つの円筒が別々に回転し、暴風を巻き起こす。圧縮された暴風の断層が擬似的な時空断層となって範囲を広げていく。

「ひらりマントー!」

しかし断層は神チーを避けていった。エヌマエリシュにより部屋は崩壊し、神チー、小銭、星屑は城ごと天空に浮遊している大地に足をつけた。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.436 )

日時: 2016/10/12 19:38
名前: ああ

「ふざけた道具ばかり使いやがって!クラスカード・ランサー!」

小銭がケルト神話の英霊 クー・フーリンの姿に変化し、跳躍して真紅の魔槍を振り上げる。

「ゲイ・ボルグ!」

小銭が真紅の魔槍 ゲイ・ボルグを神チー目掛けて投擲する。

「心臓を穿つという結果を必然とした投擲だ!そのマントじゃこの槍は回避出来ねえ!」

ゲイ・ボルグが神チー目掛けて急降下していく。

「エコーズ ACT3!」

星屑のスタンド エコーズの能力で神チーの体は前のめりに倒れ、体は地面にめり込み身動きが取れなくなる。

「はっはっはっ!ガルガイド宰相破れたり!」

星屑が勝利を確信した時である。ゲイ・ボルグを鉛筆型の羽が生えたミサイルが迎撃し、ゲイ・ボルグは丸焦げになってその場で落下した。

「予めペンシル・ミサイルをセットしといて良かったー!」

次に星屑の体が前のめりになってその場で倒れてしまう。動こうとしても起き上がることが出来ない。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.437 )

日時: 2016/10/12 19:38
名前: ああ

「お返しハンドの能力だ。これは装着すると相手にされたことを3倍返しする能力だ。」

神チーの両肩に機械の腕が装着されている。

「チッ!エコーズ、奴の拘束を解け!」

星屑の指示によって神チーの拘束が解除され、起き上がる。

「スーパーてぶくろ」

神チーの両手に赤い手袋が装着され、全身の筋力が大幅に強化される。

「かくれマント」

神チーがマントを羽織ると、姿を消してしまった。

「あの野郎何処行きやがった!」

「?!ガハッ!!」

消えた神チーを探す為に周囲を見渡す星屑の腹を突然強烈な打撃が襲う。星屑は吐血しながらうずくまる。

「星屑!大丈夫か!クソッ、このままじゃ!」

小銭が星屑に駆け寄ろうとするがそんな小銭の顔面にも強烈な打撃が見舞われた。

「なっ…!」

鼻血を噴きながら吹っ飛ばされてしまう。

「クラスカード ライダー!」

小銭は体勢を何とか立て直し、ライダーのクラスカードでイスカンダルの姿に変身する。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.438 )

日時: 2016/10/12 19:39
名前: ああ

「王の軍勢(アイオニオン・ヘタイロイ)!」

固有結界が発動し、一面が地平線の彼方まで広がる荒野に移り変わる。そこにはイスカンダルが率いる数万のマケドニア軍が整然として控えていた。

「敵は透明になって姿を隠してる!奴の居場所を何としても探り当てるんだ!」

数万の兵で自身と星屑の身を守りながら姿を隠している神チーの居場所を突き止めるべく、マケドニア軍に命令を下した。

数万のマケドニア軍が一斉に動き出し、神チーの気配を感じ取る為に剣を振るい、槍を突き出す。

「こ…ぜに…」

「しっかりしろ星屑!」

腹部に強烈な打撃を食らった星屑が口元から血を流しながら小銭をか細い震える声で呼ぶ。

「…クレイジーダイヤモンド」

星屑のスタンドが出現し、小銭の顔面に受けたダメージを修復する。

「ありがとう星屑。でも自分の傷は治せないスタンドだったな。星屑はもう危険な状態だ。どうするか。」

小銭がどうすれば星屑を救えるかと思案し始めたところで、マケドニア兵の1人の槍が神チーを貫いた。

「クソが!人海戦術とは卑怯な!」

脇腹を槍で貫かれた神チーが姿を現した。

「見つけたぞ神チー!いや、待てよ?」

小銭が何かを閃いた様子を見せた。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.439 )

日時: 2016/10/12 19:39
名前: ああ

「神威の車輪(ゴルディアス・ホイール)!」

小銭はキュプリオトの剣で空間を切り裂き、二頭の神牛に引かれるチャリオットを出現させた。

「星屑、乗るぞ!」

星屑を担いでチャリオットに乗せて自身も飛び乗ると、高速飛行で神チーに接近する。

「熱戦銃!」

神チーが不思議な銃を取り出してチャリオットに狙って引き金を引いた。

「やべえ!避けろ!」

高速飛行で熱戦銃から射出される熱戦を回避し続け、ついに神チーに迫った。

「星屑、奴にクレイジーダイヤモンドを!」

高速飛行しながら神チーの真横を通り過ぎる瞬間、星屑のクレイジーダイヤモンドが地面にめり込ませた時に出来た傷を治した。すると神チーのお返しハンドの能力が発動し、星屑の傷やダメージが完全に回復した。

「成る程、お返しと言っても悪いことや攻撃だけじゃないからな!お前にしてはよく気づいたぜ小銭!」

「まだだぞ星屑、ザ・ワールドだ!」

「ザ・ワールド!」

小銭の意図を理解した星屑がザ・ワールドによる時間停止能力を発動し、上空を飛ぶチャリオットから飛び降りると、神チーの両肩に装着されているお返しハンドに狙いを定めて接近した。

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!」

ザ・ワールドの高速ラッシュでお返しハンドを破壊し、スーパー手袋を脱がせて奪い、四次元ポケットを奪い去った。

「そして時は動き出す。」

時間停止が解除され、四次元ポケットを奪われた神チーの哀れな姿があった。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.440 )

日時: 2016/10/12 19:39
名前: ああ

「俺の四次元ポケットが!」

神チーは四次元ポケットを奪われたことに気づき、苦虫を噛み潰したような表情に変わる。

「ついでに念の為にこのポケットは処分するぜ!マジシャンズレッド!」

星屑はスタンド マジシャンズレッドの火炎で四次元ポケットを焼き尽くして灰にした。

「四次元ポケットの無いお前なんてゴミカスなんだよ!お前ら、奴を始末しろ!」

小銭の命令でマケドニア兵達が一斉に神チーに襲い掛かる。

「調子に乗るなよカス共」

神チーは予めポケットから出して懐にしまっておいた錠剤のビンを二つ取り出し、ビンの中の錠剤を一気に口に流し込んだ。

「フフフフフ…力が!漲ってくる!」

神チーが更に服の中に隠しておいた刀を取り出すと、迫り来るマケドニア兵達を悪鬼の如く次々と斬り捨てた。

「体を硬化する錠剤、スピードを上昇させる錠剤、敵の動きに合わせて自動で動く刀!僕は無敵だあああああ!!」

マケドニア兵の死体の山が積み重なっていく。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.441 )

日時: 2016/10/12 19:40
名前: ああ

「クラスカード アーチャー!」

小銭がアーチャーのクラスカードを発動させることで固有結界とマケドニア軍は消滅する。小銭はクラスカードの効果で赤いロングコートを羽織った二丁小剣を持つ英霊の姿になる。

「体は剣で出来ている。
(I am the bone of my sword.)

血潮は鉄で心は硝子。
(Steel is my body,and fire is my blood.)

幾たびの戦場を越えて不敗。
(I have created over a thousand blades.)

ただ一度の敗走もなく、
(Unaware of loss.)

ただ一度の勝利もなし。
(Nor aware of gain.)

担い手はここに独り。
(Withstood pain to create weapons,)

剣の丘で鉄を鍛つ。
(waiting for one's arrival.)

ならば我が生涯に意味は不要ず。
(I have no regrets.This is the only path.)

この体は、
(My whole life was)

無限の剣で出来ていた。
( "unlimited blade works")」

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.442 )

日時: 2016/10/12 19:40
名前: ああ

小銭が詠唱を唱えている間、星屑がスタンド イエローテンパランスで神チーの姿に化けて応戦していた。

小銭の長い詠唱が終わると、見渡す限り無数の剣が突き刺さっている荒野の固有結界が発動する。

「なんだこりゃあ!?さっきから景色を変える術ばっか使いやがって!お前を斬り捨てて終わりにしてやる!」

神チーが星屑と距離を置いて小銭に刀を向けて言い放つ。

「行くぞ四次元王。道具の貯蔵は十分か!!」

四次元ポケットを失った神チーに皮肉の言葉を浴びせると、二丁小剣を両手に持って神チーに突撃を開始する。

「この名刀電光丸の前ではどんな武器であろうと塵に等しい!」

小銭は駆けながら無数の剣を展開させて神チーに射出するが、電光丸に全て叩き落とされてしまう。

「死ねえ!死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね!」

神チーが素早い動きで小銭に接近し、斬り合いに持ち込む。スピードを上昇させ、名刀電光丸を持った神チーが小銭を圧倒し、二丁小剣を粉砕した。

「トレース・オン!」

小銭は神チーの名刀電光丸を複製して対抗する。

「そんな贋作で僕の秘密道具に勝てると思ってんのかあああ!」

名刀電光丸同士で幾度も切り結び、勝負がつかない。

「偽物がオリジナルに勝てない道理なんて無い!」

小銭は右手に持った電光丸で神チーの電光丸を受けながら、別に複製したもう片方の剣で神チーの心臓を狙う動きを始める。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.443 )

日時: 2016/10/12 19:40
名前: ああ

「馬鹿かお前は!?僕は錠剤で体を硬化させてるんだよ!そんな剣が僕を傷つけられるわけ…」

「エコーズ ACT2」

星屑のスタンド エコーズACT2がグニャッという擬音文字を神チーに張り付ける。すると神チーの体は文字通り石のような硬さからグニャッとした軟体に変化した。

「終わりだ神チー!」

小銭の剣が神チーの心臓に突き刺さった。神チーは即死し、口から血を吐きながらうつ伏せになって倒れた。

固有結界が解除され、元の風景に戻る。小銭のアーチャー形態も解除された。

「ふざけた野郎だったが強敵だったな。」

「危うく死に掛けたぜ。さあ、赤牡丹とオルトロスを追うぜ!」

小銭と星屑は短いやり取りの後、崩壊した部屋があった場所を上空を見遣る。

「どうやって行くんだ?」

「俺のライダーの宝具で。」

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.444 )

日時: 2016/10/12 19:41
名前: ああ

グリーン王国 李信領 与板

コアラ少年率いる3万の大軍が与板城付近の城下付近に布陣していた。

「手筈通りだ。良いな。」

城を預かるキモ男とポルク・ロッドは軍議で打ち合わせた作戦通りに事を運ぼうとしていた。キモ男が与板城兵3000の内、800程の兵を率いて城下付近のガルガイド軍から視認出来る位置まで進出してきていた。

「鉄砲隊、用意!」

キモ男の一声で100人程の鉄砲手が弾薬を装填を完了させる。

「放て!」

100丁の新式銃が火を噴いた。弾丸の殆どがガルガイド軍兵を撃ち抜き、一気に血の池と屍の山が出来上がった。

「李信軍の部隊が少数で一気に出てきたか!しかしこの世界に鉄砲があるのか?まあ良い、数に物言わせて一気に踏み潰してやる!かかれー!」

キモ男隊の銃撃を察知したコアラ少年の命令で3万の兵が次々にキモ男隊目掛けて動き出した。

「計画通りだな。敵を引きつけつつ城まで後退するぞ!」

キモ男隊800はガルガイド軍が此方に向かって進軍を開始したのを確認し、城下に後退を始めた。

李信達がガルドリア城でガルガイド国王かっしーを打倒すべく、能力バトルを繰り広げている間にこの与板城では合戦の火蓋が切って落とされたのである。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.445 )

日時: 2016/10/12 19:41
名前: ああ

与板城の城下は迷路の様に道が入り組んでいる。既にキモ男やポルク・ロッドが領民に指示を出して城下から民は避難している為、城下町は与板城兵以外の姿は無い。

キモ男は巧みな采配で後退を続けガルガイド軍を城下町まで引き込むと、3万の将兵がグリーグ川を渡河して続々と城下町に雪崩れ込んだ。

しかし大軍が足枷になり、狭い路地での進撃は困難を極めた。しかも予めキモ男やポルク・ロッドの指示で城下の至るところに進撃を妨害する逆茂木や乱杭が配置されており、思う様にキモ男隊に追いつくことが出来ない。

「放て!」

キモ男の指示でキモ男隊の鉄砲100丁から再び銃火を浴びせ、進軍に窮しているガルガイド軍の将兵を次々に撃ち倒した。撃ち抜かれた将兵の血が逆茂木や乱杭にかかり、真っ赤に染まっていく。

「あれだけの小勢相手に何を手間取ってるんだ!さっさと進まんか!止まる奴は俺が斬り捨てるぞ!」

コアラ少年が抜刀して脅しをかけるので将兵達は懸命に逆茂木や乱杭を避けて駆け足でキモ男隊を追い続ける。

このようなやり取りを10回程繰り返し、ガルガイド軍は遂に与板城の城門前に到達した。

キモ男隊が城門前まで敵を引きつけたのを見計らったポルク・ロッドは城門を開けるよう指示、城門は開かれキモ男隊は城内まで速やかに撤収した。

「城内が開かれたぞ!一気に攻め込んで落城させろ!」

コアラ少年の号令一下、ガルガイド軍が城内にまで押し寄せるが、そこに待っていたのは200丁の鉄砲による一斉射撃だった。城内を区切る塀に空いている穴から新式銃が一斉に火を吹き、ガルガイド兵の死体の山を築いていく。

恐れをなしたガルガイド将兵だが、コアラ少年の命令で仕方なく銃火を潜り抜けて更に内部へと進む。二の丸に到達したガルガイド軍を待っていたのは、土塁の上から浴びせられる大量の矢の雨と、次々に転がってくる丸太や巨石だった。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.446 )

日時: 2016/10/12 19:41
名前: ああ

ガルガイド兵の断末魔が城内に響き渡る。

「申し上げます!我が軍、二の丸から全く進撃出来ません!」

軍後方のコアラ少年に次々と同じ内容の報告が飛び込んでくる。コアラ少年が逡巡している間にが軍の死体は夥しく増えていき、城内で倒れているのは殆どがガルガイド軍の将兵だった。

「一旦退いて立て直す!者共退けー!」

キモ男やポルクの部隊の激しい迎撃に遭い、いたずらに死者を増やすだけの展開にコアラ少年も考えを改めて全軍に撤退命令を下した。

「全て思惑通りだな。城下に潜む兵に合図を送れ!」

ポルク・ロッドの下知により城内から狼煙が天高く打ち上げられると、来た道を急いで引き返すガルガイド軍の撤退を阻まんが為に、城下の建造物に潜んでいた李信軍の兵達が油をかけて積み上げてある城下の至る所に配置していた藁に次々に火をつけて軽快な動きで退散していく。

忽ち火は燃え広がり、城下は火の海と化した。乱杭や逆茂木に阻まれて思う様に撤退出来ないガルガイド軍を襲う。炎に巻かれたガルガイドの将兵達はバタバタと倒れていく。煙を吸って倒れる者も多かった。

勝負尻率いる先発隊がようやくグリーグ川にまで差し掛かる。無数の人馬でグリーグ川は埋め尽くされた。

「合図を送れ!」

ポルク・ロッドの下知により2度目の狼煙が城から上がる。狼煙を確認したグリーグ川上流で待機していた部隊が川の堰を切って龍の様な凄まじい水流が流れ出す。

「しまった!」

部隊後方で撤退を指揮していた勝負尻が気づいた時には既に遅し。水流は渡河していたガルガイド軍を容赦無く押し流し、多数の溺死者を出してしまった。

Re: 「Re:じゃないけど始めるポケガイ民の二次元生活」( No.447 )

日時: 2016/10/12 19:42
名前: ああ

「与板西砦の藤原の部隊に合図を送れ!」

ポルク・ロッドの下知で3度目の狼煙が打ち上がる。狼煙を確認した与板城の西の丘にある砦で待機していた藤原率いる500の部隊が門を勢いよく開いて出撃した。

「申し上げます!西から敵の部隊が我が軍の側面を突こうと出撃してきました!」

「何!?」

伝令兵の報告に目を丸くするコアラ少年の部隊に、藤原の部隊が鉄砲100丁で銃撃を浴びせかけた。鉄砲の威力に怯んだガルガイド軍を藤原隊が容赦無く槍衾を作って突き掛かった。

大混乱をきたしているが軍は少数の藤原隊に突き崩され、押されまくって水嵩が急激に増した軍川に身を投じて我先にと逃げようとするが、悉くが水流に押し流されて溺死者を増やすばかりだった。

「今だ!撃って出る!」

城内で待機していたキモ男率いる800の部隊が城門を出て出撃する。火の海に晒されなかった城下の迷路を潜り抜けて大混乱中のコアラ少年の部隊の東側の脇に出る。

「かかれー!」

銀色の古代中華風の甲冑に身を包むキモ男が愛用している二丁斧を振り下ろして全軍に突撃命令を下し、キモ男を先頭に800の将兵が塊となって波の様にガルガイド軍に押し寄せた。

「我こそは李信軍副官・キモ男なり!ガルガイド軍総大将・コアラ少年は何処だ!出逢え出逢え!」

キモ男が大音声で喚きながら自ら先頭を馬で駆け、二丁斧を振り回して悪鬼羅刹の如くガルガイド兵を斬り倒していく。

「ヒッ…キモ男だ!キモ男が来たあああ!!」

恐れ慄くガルガイド兵は何も出来ずに次々とキモ男によってまるで枯れ草を薙ぐかのように切り倒されていく。

「あれはキモ男ではないか!皆固まって俺を守れ!俺が撤退するまでもちこたえろ!」

鬼神の如く突き進んでくるキモ男を前に怯えるガルガイド兵は最早コアラ少年の声など聞こえていなかった。

Page:[1] [2] [3] [4] [5] [6]

タイトル   このスレッドを先頭に移動
名前
E-Mail
URL
パスワード (返信内容の修正や削除時に使用)
コメント
     名前、E-Mail、URL、パスワードを保存する